スズメ科 (Sibley)

広義のスズメ科（すずめか、学名 テンプレート:Sname）または広義のハタオリドリ科 テンプレート:Sname は、鳥類スズメ目の、かつて提唱された分類群である。

名称

スズメ科 テンプレート:Sname とハタオリドリ科 テンプレート:Sname を同じ科とするなら、この2つの科名はシノニムとなる。

Chapin (1917) はこの科をハタオリドリ科としたが、Sibley & Ahlquist (1985) は国際動物命名規約上の先取権に基づき、名称をスズメ科に変更した。ただし彼らはのちに科の範囲も変更した。

日本では、テンプレート:Sname をスズメ科と呼ぶことがあった。

現在はスズメ科とハタオリドリ科は別科なので、先取権の問題はない。

分類

広義のハタオリドリ科/スズメ科の変遷

伝統的な分類 (Collias & Collias)		Sibley & Ahlquist			現在の分類		属	種
ハ タ オ リ ド リ 科	スズメ亜科 テンプレート:Sname	ス ズ メ 科	スズメ亜科		スズメ科		11	テンプレート:040
	スズメハタオリ亜科 テンプレート:Sname		ハタオリドリ亜科				テンプレート:04	テンプレート:0テンプレート:08
	オオハタオリドリ亜科 テンプレート:Sname				ハタオリドリ科		テンプレート:02	テンプレート:0テンプレート:03
	キクスズメ亜科 テンプレート:Sname						テンプレート:01	テンプレート:0テンプレート:02
	ハタオリドリ亜科 テンプレート:Sname						テンプレート:08	104
	カエデチョウ亜科 テンプレート:Sname		カエデ チョウ 亜科	カエデチョウ族	カエデチョウ科		30	140
	テンニンチョウ亜科 テンプレート:Sname			テンニンチョウ族	テンニンチョウ科		テンプレート:02	テンプレート:020
イワヒバリ科 テンプレート:Sname			イワヒバリ亜科		イワヒバリ科		テンプレート:01	テンプレート:013
セキレイ科 テンプレート:Sname			セキレイ亜科		セキレイ科		テンプレート:06	テンプレート:068

古典的なハタオリドリ科には、現在のスズメ科 テンプレート:Sname・ハタオリドリ科 テンプレート:Sname・カエデチョウ科 テンプレート:Sname・テンニンチョウ科 テンプレート:Sname が含まれていた。

Chapin (1917) はそれらが近縁だとしてハタオリドリ科にまとめた。彼はオオハタオリドリ科 テンプレート:Sname を別科としていたが、Sushkin (1927) はそれもハタオリドリ科に含めた。彼はハタオリドリ科を6亜科に分け、Delacour & Edmond-Blanc (1933–1934) などによりテンニンチョウ亜科が独立した亜科となり、Collias & Collias (1964) は7亜科を置いた。スズメハタオリ亜科やキクスズメ亜科を認めない説や、スズメ亜科・オオハタオリ亜科・カエデチョウ亜科・テンニンチョウ亜科を独立科とする説もあった。アトリ科のヒワ亜科 テンプレート:Sname を含める説もあった。

Sibley & Ahlquist (1985) はこの科の名称をスズメ科に変更した。Sibley & Ahlquist (1990) はさらに、イワヒバリ科・セキレイ科を亜科として加え、従来の亜科のいくつかを統合し、計5亜科とした。スズメハタオリ亜科・オオハタオリドリ亜科・キクスズメ亜科はハタオリドリ亜科に、テンニンチョウ亜科はカエデチョウ亜科に含め、カエデチョウ亜科をカエデチョウ族 テンプレート:Sname とテンニンチョウ族 テンプレート:Sname に分けた。

現在は、スズメ科・ハタオリドリ科・カエデチョウ科・テンニンチョウ科・イワヒバリ科・セキレイ科は独立科となっている。しかしオオハタオリ亜科は分離されず、キクスズメ亜科と共にハタオリドリ科に含まれる。スズメハタオリ亜科を含む科はスズメ科かハタオリドリ科か論争がある（国際鳥類学会議 (IOC)はスズメ科としている）。

系統

系統樹は Johansson et al. (2008)などより。★ は広義のハタオリドリ科に含まれていた群、☆ は Sibley & Ahlquist が加えた群。

画像

• Passer (Naumann).jpg

  イエスズメ、スズメ

• White wagtail.jpg

  タイリクハクセキレイ

• イワヒバリL.jpg

  イワヒバリ

出典

sh:Vrapci