ジョンソン宇宙センター
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ジョンソン宇宙センター(ジョンソンうちゅうセンター、Lyndon B. Johnson Space Center, 略:JSC)は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンにあるアメリカ航空宇宙局 (NASA) の宇宙センターのひとつである。ライス大学から広大な土地を寄付されて1961年10月24日に有人宇宙船センターとして設立された。1973年2月17日にテキサス州出身の大統領であったリンドン・B・ジョンソンにちなんで現在の名称に改名された。有人宇宙飛行に関する研究開発やスペースシャトルや国際宇宙ステーションをはじめとする有人宇宙飛行ミッションの運用・管制を行うなど、数あるNASAの宇宙センターの中でも極めて重要な役割を担っている。宇宙飛行士の選定や訓練もここで行っている。
スペースシャトルの管制は、打ち上げ後、射点のタワーをシャトルがクリアした時点で、ケネディ宇宙センターからジョンソン宇宙センターに引き継がれる。
主要な建物
見学訪問者のためには西に隣接してスペースセンターヒューストン[1]が建てられておりディズニーが運営している。ジョンソン宇宙センター内部を見学するツアーはここから出発する。
ジョンソン宇宙センターのそれぞれの建物には名前は付いておらず、すべての建物に番号が割り振られている。以下にその一部を示す。
建物 | 説明 |
---|---|
1 | ジョンソン宇宙センター本部棟および上級管理職事務所。 |
2 | 広報部および映像製作・音声処理施設。 |
3 | 第一カフェテリアおよび従業員向けの売店。 |
4 | 宇宙飛行士・飛行管制官・フライトディレクターを含む有人宇宙飛行活動関連施設。 |
5 | スペースシャトルのミッション・シミュレータ等の訓練施設。 |
7 | 真空装置および宇宙服テスト施設。 |
8 | 診療所および写真・映像保管施設。 |
9 | 国際宇宙ステーションやスペースシャトル等の実物大模型を設置した訓練施設。 |
11 | 第二カフェテリアおよび従業員向けの売店。 |
12 | 自然科学・宇宙科学・工学・数学・その他の科学技術を専攻とする、ジョンソン宇宙センター職員の教育機関。 |
15 | 人間と環境要因に関する研究室。 |
16&16A | シャトル電子機器のソフトウェアやハードウェアの検査・調整を行う、シャトル・アビオニクス統合施設。 |
30&30S | 国際宇宙ステーションやスペースシャトルの飛行・運用を支援する、ミッションコントロールセンター(MCC)およびシャトル飛行管制室(FCR)。 |
31 | 宇宙飛行で使用する機械・部品のテストを行う、宇宙空間シミュレーション研究所。 |
32 | ハードウェアテスト用の2台の真空装置が設置されている。 |
37 | アポロ計画で地球に持ち帰られた月面の岩石などを分析・研究する月試料研究所が置かれていたが、現在は生命科学研究所となった。 |
44 | 通信・追跡センター。 |
45 | 宇宙飛行士・飛行管制官・フライトディレクターを含む有人宇宙飛行活動関連施設。 |
110 | NASAの従業員入口近くの門の外にあるセキュリティー本部のある棟。訪問客に入場許可バッジを発行する。 |
立てこもり事件
- 2007年4月20日、ジョンソン宇宙センターの44号棟の研究棟に拳銃を持った男が男女2人を人質に取って約3時間にわたって立てこもった。男は人質の男性1人を射殺した後、自分の頭部を撃ち自殺した。残る女性1人は自力で脱出した。容疑者の男はNASAが契約している会社に勤務している50代の男性と見られている。