焼売
焼売(しゅうまい、広東語: シウマーイ)は、豚の挽肉を小麦粉の皮で包み蒸し調理した中華料理の点心。
中華人民共和国の広州や香港では広東語で「シウマーイ」と発音されている。日本語は広東語の発音を外来語として取り入れている。北京語では「シャオマイ」と発音し、同音の「燒麥」の字を当てる場合がある。
概要
現在の中国内蒙古が起源とされているが、中国国内では北京、山西省、広東省、山東省、浙江省、江蘇省等各地に広く普及している。香港では「干蒸燒賣(コンチェンシウマーイ、gonjing siumaai)」という呼び方も一般的である。豚の挽肉とえびのみじん切りを主体とし、練り合わせて味付けした中身を薄い小麦粉の皮で短い円柱状に包み、蒸籠や蒸し器などで蒸かして仕上げ、好みで酢・醤油・辛子など調味料をつけて食べる。なお、中身にカニや牛肉を加えたり、包む皮の代わりにもち米をまぶすなどのバリエーションもある。
同じ点心の一つとして扱われる餃子との違いは、皮が薄い四角形(丸い皮もある)で、中に澱粉がやや多く配合されていること、必ず最初は蒸して調理すること、塩味などの味付けが強めで調味料で味付けせずに食べることもできるという点などが挙げられる。中国では蟹みそを付けたり、何も付けない例が多い。北京風の「燒麥」は皮の大きさが大きめで、中の具よりもはみ出た感じの形の物が多く、中身ももち米を入れている場合が多い。
上海に「日式焼売」があるが、切った細巻きのように見える焼売の具を使用した蒸し料理である。
日本のシュウマイ
材料には主に豚ひき肉と玉ねぎのみじん切りを使用。彩りとして頭頂部にグリーンピースが載せられる事が多い。これは、昭和30年代に大手冷凍食品メーカー日本冷蔵株式会社(現在の(株)ニチレイ)の開発者が、学校給食用にショートケーキのイチゴをイメージして考案したとされている。餃子と同様に焼いて(しばし一緒に)食べる事があり、また油で揚げて「揚げ焼売」にしても食べる。おでんの種など煮物に使用する事もある。中国のものと較べるとかなり香味が淡泊であり、醤油やポン酢などの調味料をつけて食べられることが多い。
一般家庭で作られることは少なく、チルド製品や冷凍製品、また調理の終わったものを店で購入するケースが多い。
焼売は横浜の名物として有名で、総務省統計局の「家計調査年報」でも家計における焼売への支出割合は横浜が首位である。これについては中華街の存在より、戦前から横浜駅の構内で焼売を売りに出していた崎陽軒の企業努力によるところが大きい。駅弁として冷めても美味しい焼売とするために、横浜中華街・順海閣の料理人(呉遇孫)が招かれ、ホタテの貝柱を入れることで成功、以後各地にこの方法は広まっていった[1]。崎陽軒では「シウマイ」と表記している。
佐賀県の鳥栖駅でも名物として販売している[2]。しかし販売会社の中央軒では焼売ではなく「焼麦」(読みも正確にはシウマイではなくしゃおまい)と称しており、北京語での当て字表記と同じである。