サイトウ・キネン・フェスティバル松本
テンプレート:Portal クラシック音楽 サイトウ・キネン・フェスティバル松本(略称=SKF、サイトウキネン)は、1992年から毎年8月、9月に長野県松本市で行われる音楽祭。
概要
指揮は主に小澤征爾が行う。これまで、ケント・ナガノ(1997年)、大野和士(2004年)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(2005年)、アラン・ギルバート(2006年)、 広上淳一(2007年)、下野竜也(2008年)、ロバート・マン(Robert Mann 2009年)らが客演した。
2010年は、小澤征爾の病気療養のため、オペラ公演をオメール・メイア・ヴェルバー (Omer Meir Wellber)[1]テンプレート:リンク切れ[2][3]、オーケストラ公演を山田和樹、下野竜也が指揮をする。小澤征爾は、オーケストラ公演の冒頭にてチャイコフスキーの弦楽セレナーデ第1楽章のみを指揮する[4]。
主な会場は2004年オープンしたまつもと市民芸術館、長野県松本文化会館など。演目はオーケストラ、オペラ、室内楽と幅広い。2010年の武満徹メモリアルコンサートは、武満が作曲した映画音楽(主にジャズ)のコンサートであった。この年以降、ジャズのプログラムも組まれるようになった。また、長野県内の小学6年生を子供向けコンサートに、中学1年生を青少年向けオペラに招待している。
主な会場へのアクセス
- まつもと市民芸術館 JR東日本、アルピコ交通 松本駅から徒歩15から20分。
- キッセイ文化ホール 松本バスターミナルから浅間温泉行きなどのバスで約20分。
- 松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニー・ホール) JR東日本大糸線島内駅から徒歩約3分
オーケストラ
桐朋学園大学で教鞭をとっていた齋藤秀雄に師事した演奏家、同大学出身の演奏家が集まり、音楽祭のために臨時に編成されるサイトウ・キネン・オーケストラ(略称=SKO)が演奏する。現在ではサイトウ・キネン・オーケストラの団員に師事したものが団員となることもある。東京で公演することもある。
名称変更問題
20回目の開催となる2011年以降、毎年、松本でのフェスティバル後、同内容の公演を海外で行うことを計画。これにあたり、「外国人にはなかなか理解できない」(小澤征爾)という「サイトウ・キネン」からの名称変更を検討し、2010年12月7日から22日まで、公式サイトで広く意見を募った。「参考意見として集約したうえで、2011年3月までに改めて発表する」としていたが、3月11日に東日本大震災が発生したこともあり、発表は延期された。2011年の松本での全公演が終了した翌日の9月1日に名称変更しない決定に至った旨を発表。オーケストラメンバーとして「フェスティバル名称、オーケストラ名称とも変更しない方がよい」との意見で統一され、総監督の小澤も了承したという。名称変更しない理由として、「徹底的に音楽を探求する」という齋藤の信念を継承することや、2010年のカーネギー・ホール公演で認知度が飛躍的に向上したことなどを挙げた。この後、実行委員会、理事会での協議を経て、2012年3月には正式決定された[5]。
しかし2014年、実行委員会は2015年から名称を『セイジ・オザワ松本フェスティバル』に変更することで合意した[6]。名称変更後も小澤は総監督として続投し、楽団名も「サイトウ・キネン・オーケストラ」のまま変更しない[7]。
主な公演
- 1992年 ストラヴィンスキー 歌劇「エディプス王」
- 1993年 オネゲル 劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
- 1994年 ヴェルディ 「レクイエム」
- 1995年 ストラヴィンスキー 歌劇「道楽者のなりゆき」
- 1996年 プーランク 喜歌劇「ティレジアスの乳房」
- 1997年 J.S.バッハ マタイ受難曲
- 1998年 プーランク 歌劇「カルメル会修道女の対話」
- 1999年 ベルリオーズ 劇的物語「ファウストの劫罰」
- 2000年 J.S.バッハ ミサ曲 ロ短調
- 2001年 ヤナーチェク 歌劇「イェヌーファ」
- 2002年 ブリテン 歌劇「ピーター・グライムズ」
- 2003年 ヴェルディ 歌劇「ファルスタッフ」
- 2004年 ベルク 歌劇「ヴォツェック」
- 2005年 シェーンベルク 「グレの歌」
- 2006年 メンデルスゾーン オラトリオ「エリヤ」
- 2007年 チャイコフスキー 歌劇「スペードの女王」
- 2008年 ヤナーチェク 歌劇「利口な女狐の物語」
- 2009年 ブリテン 戦争レクイエム
- 2010年 R. シュトラウス 歌劇「サロメ」
- 2011年 バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」、バレエ「中国の不思議な役人」
- 2012年 オネゲル 劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
脚注
関連項目
- フィリップス・レコード - サイトウ・キネン・オーケストラのCD・DVDを製作。
- セイコーエプソン - 初期のスポンサー
- キッセイ薬品工業 - 第一回よりスポンサー
- 長野朝日放送 - 六本木ヒルズで公演の模様を放映
- スズキ・メソード
- 街角コンサート (松本)
- 松本ミュージックフェスティバル
外部リンク
- ↑ オペラ「サロメ」の指揮者が決定!
- ↑ 28歳指揮者が小澤征爾代役で日本デビュー、難曲「サロメ」に挑戦 - ウォールストリート・ジャーナル
- ↑ SKFが「サロメ」熱演 松本で25・28・30日も - 朝日新聞
- ↑ 指揮者変更とプログラム追加のお知らせ
- ↑ フェスティバルの名称変更について
- ↑ 「セイジ・オザワ松本フェスティバル」SKF新名称発表 信濃毎日新聞
- ↑ 「「セイジ・オザワ 松本フェス」へ=「サイトウ・キネン」来年から改称」2014年8月4日15時31分(時事通信)