コル・レーニョ
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コル・レーニョ(col legno)は弦楽器の特殊奏法の一つで、弓の毛ではなく棒の部分で弾く(叩く)ものである(詳しくいうとコル・レーニュ・バットゥートcol legno battuto)。当然まともな音は出ず、カタカタと打楽器的な効果を出したり、異様な雰囲気を出すのに用いられる。コル・レーニョにはコル・レーニョ・トラット(col legno tratto)というものもあり、これは普通の毛の代わりに棒の部分を利用して、摩擦で音を発する方法である。
ベルリオーズ「幻想交響曲」の終楽章で用いられている他、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」の終楽章にも用いられており、比較的古くからみられる奏法である。他にもショパンのピアノ協奏曲第2番の終楽章、グスターヴ・ホルスト「惑星」の「火星」、グスタフ・マーラーの第7番までの交響曲などにも用いられている。コル・レーニョ・トラットの用例としては、ヴェーベルンのヴァイオリンとピアノのための4つの小品作品7の第1、3曲(第2曲ではコル・レーニュ・バットゥートが使われる)などがある。
弓の棒は木製、弦の表面には通常金属が巻かれているので、強く演奏すれば弓を傷めてしまう。一部の演奏家は価格の安い弓を利用したり、木の棒で代用することもある。
関連項目
- バルトーク
- ガルドン
- Webern Studies (Kathryn Bailey編、1996, Cambridge University Press) ヴェーベルンのヴァイオリンとピアノのための4つの小品におけるコル・レーニョ奏法について詳述されている。