コヨリムシ目
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コヨリムシ目(Palpigradi)は、節足動物門鋏角亜門クモ綱に所属する分類群であり、約30種、すべてコヨリムシ科に属する。
ごく小型の動物であり、最大の種でも3mmを越えない。体は細長く、鞭のように細長い尾を持つ点ではサソリモドキに似ているが、細部には重要な違いがある。
頭胸部は細長い。背面では外骨格が、頭から第2脚までと、第3脚、第4脚背面で区分されている。腹面では口から第1脚の間の腹板と、第2、第3、第4脚に当たる腹板が分かれている。クモ類では、頭胸部は互いに融合して区別がつかないのが普通で、このように体節の区別が明確な例は少ない。特に腹板がこのように分かれている例は他にない。
鋏角は鋏状。触肢と歩脚はいずれも特殊な形にはなっておらず、か細い。
腹部は体節に分かれ、やや幅が狭くなって頭胸部とつながる。腹部の末端からは鞭状の尾が伸びる。尾は14-15の環節からなり、長い毛がはえている。
多くは土壌中に住み、湿ったところに生息する。洞穴から発見されるものもある。動きは素早く、肉食性と思われるが、詳しいことは分かっていない。
世界各地に分布が知られ、マダガスカルには種数が多いことがわかっている。日本ではかつて小笠原諸島において不完全な標本が採集されているのみである。
参考文献
- 内田亨監修 『動物系統分類学』第7巻(中A)「真正蜘蛛類」、中山書店。