ゲッケイジュ
ゲッケイジュ(月桂樹、学名:Laurus nobilis)は、クスノキ科の常緑高木。
概要
地中海沿岸原産。雌雄異株。葉に芳香があって古代から用いられた。
ギリシャ神話のアポロンとダフネの物語に由来し、ギリシャやローマ時代からアポロンの聖樹として神聖視された樹木。古代ギリシアでは葉のついた若枝を編んで「月桂冠」とし、勝利と栄光のシンボルとして勝者や優秀な者達、そして大詩人の頭に被せた。特に月桂冠を得た詩人は桂冠詩人と呼ばれる。
利用
食用・薬用
葉、実は、それぞれ月桂葉、月桂実という生薬名を持つ。
葉にはシネオールと呼ばれる芳香成分が含まれ、葉を乾燥させたものをローリエ(テンプレート:Lang-fr)、ローレル(テンプレート:Lang-en)、ベイリーフ(テンプレート:Lang-en)などと呼び、香辛料として広く流通している。
ゲッケイジュ葉には強いアルコール吸収抑制活性が認められる。その活性本体は、α-メチレン-γ-ブチロラクトン構造を有するコスチュノリド(costunolide)などのサポニンであるセスキテルペン類であり、その作用機序として、胃液分泌の亢進や胃排出能抑制作用などが関与している[1]。
2001年、カゴメ株式会社総合研究所は、月桂樹の中に、血管を拡張する作用を示す物質が含まれていることを明らかにした。なお、人体への効果については検証されていないという情報もある[2]。
ほか民間伝承として、ローリエには以下のような効用があるとされるテンプレート:要出典。
- 唾液の分泌を促進し、食欲の増進や消化を助ける。
- 欧州の伝承療法では、毎朝2枚の月桂樹の葉を食べることで肝臓を強くすることができるとされる。
- 蜂さされやリューマチ、神経痛などへの効果がある。
- 穏やかな麻酔作用もあるとも言われる。
その他
庭木、公園樹としての利用のほか、葉は料理に、葉や果は薬用として利用される。
芳香成分による臭い付けはできるが空気清浄効果は認められていないテンプレート:要出典。
栽培
水はけの良い土を選び、日当たりの良い場所で育てる。枝が伸びやすいので、適度に透かして内側の風通しや日当たりを良くしておく。これにより、病害虫の発生も抑えることができる。乾燥にも強く、枯れたように見えた場合でもバケツなどに水をはって一晩漬けてから土に植え替えることで新芽が出る。