アーミーナイフ

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アーミーナイフテンプレート:En)とは、軍隊が制式採用している、戦闘以外の日用的な用途に使用するための多機能な折り畳みナイフを指す俗称である。

一般ユーザーにも短期間の野外生活等のアウトドアにおいて必要となる器具をまとめたコンパクトなフォールディングナイフとして広く使用されている。キャンピングナイフ十徳ナイフ(じっとくないふ)または、機能数に応じて○徳ナイフと呼ばれることもある。

直訳すると『陸軍ナイフ』『軍用ナイフ』になることからファイティングナイフ等と混同されることがあるが、ファイティングナイフは白兵戦に用いられる戦闘用、アーミーナイフは日用であり別物である。

概要

ファイル:Can opener-knives.jpg
アーミーナイフの缶切り
左・押し切りタイプ
中央・引き切りタイプ
右・一般的缶切り(引き切り)

19世紀末、国民皆兵制をとるスイスで、今日のビクトリノックスウェンガーがスイス軍の装備として製造を開始したのが発祥である。今日でも圧倒的なシェア・高品質を誇る両社の製品が世界的によく知られており、「スイス・アーミーナイフ」と呼ばれている。なお、このウェンガーは2005年にビクトリノックスの傘下となっている。

軍隊向けの製品では、糧食を食べるためのナイフ缶切り栓抜き、小銃の分解整備など装備のメンテナンスに使用するドライバーリーマーなどの機能がついたものが一般的であり、軍隊生活において必要となる工具を可能な限りコンパクトに持ち運べるようになっている。

開いたナイフを完全に固定するロック機構を持たない製品が多い。

ブレードは耐久性に優れたステンレス鋼製で高い強度を持ち、鏡面仕上げとなっている場合もある。

これらを採用している各国軍では、緊急時には簡易的な手術器具として、または食糧や水を得るための道具を製作するための工具としての利用法が兵士の教育カリキュラムに組み込まれているテンプレート:要出典アメリカ陸軍の歩兵に提供されるマニュアルブックには、このナイフの使い方[1]は勿論、手入れの仕方に関する記述も見られるテンプレート:要出典

同種ナイフの歴史は1890年代にまでさかのぼり、第一次第二次大戦を通じて大量に製造、軍隊に納められ、実用に供されているテンプレート:要出典。現在では、大抵の軍隊において標準装備として様々なメーカーの製品が採用されている。古代ローマの遺物と見られるものの中に、今日販売されている製品によく似た物が見られる[2]

一般向け製品

またこれらから派生した一般ユーザー向けの多機能な折り畳みナイフもある。一般向けには、軍隊で必要な機能のみならず、釣り用の針外しや鱗落とし、やすり虫眼鏡ペンチ・筆記用具・方位磁針・発光ダイオード使用の懐中電灯など、様々な道具が組み込まれている製品などが多岐に渡って販売されている。

世界市場においてはスイスのビクトリノックスによるものが有名で、この他にも米国のバックカミラス、日本の関市にある大小のナイフメーカーでも同種の製品が数多く生産されている。

日本における法規制

ただ日常的に持ち歩くことは、日本国内では違法とされる可能性が高い。アーミーナイフの刃渡りは概ね5~6cm程度もしくはそれ以下なので、日本でも銃砲刀剣類所持等取締法第2条2項「刃渡り6cm以上を有するナイフなどを正当な理由なく持ち歩いてはならない」に関しては問題ない。ただし、軽犯罪法第一条第一項「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料に処する」に、また多くの道府県の迷惑防止条例では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、刃物、鉄棒、木刀その他人の身体に危害を加えるのに使用されるような物を、公衆に対し不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない」に、それぞれ抵触する可能性がある。また工具の付属した物では特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律に抵触する可能性もある。

東日本大震災被災地における取り調べの事例

東日本大震災の被災地において、がれき撤去作業を行っていた地元住民が、十徳ナイフを持っていたことで銃刀法違反で約三時間にわたり、取り調べを受け提出させられた事例もある。[3]。 なお、警視庁災害対策課震災警備係が作成した地震の時はこうしようと言うページの中の非常持ち出し品のリスト中には以前「多機能ナイフ」と掲載されていた[4]

脚注

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関連項目

テンプレート:Sister

  • 多くは「日常的な道具」としての用法であるが、緊急時における活用法に関しても述べられている
  • ローマ帝国謹製。世界最古の万能ナイフ
    Roman multi-tool
  • テンプレート:Cite news
  • 2012年9月8日現在、この記述は削除され、ナイフや包丁の類は一切記載されていない。