ガニメデ (衛星)
テンプレート:天体 基本 テンプレート:天体 発見 テンプレート:天体 軌道 テンプレート:天体 物理 テンプレート:天体 終了 ガニメデ(Jupiter III Ganymede)は、木星の第3衛星。2007年までに発見された衛星の中で内側から7番目の軌道を回っている。太陽系に存在する衛星の中では最も大きく、惑星である水星よりも大きい。
ギリシア神話で、オリュンポス十二神の給仕としてゼウス(ローマ神話ではユーピテル)に近侍する美少年、ガニュメーデースのラテン語形ガニメデから命名された。衛星名は地名と見なされていたので、女性形となっている。小惑星にも (1036) ガニュメートがあるが、こちらはドイツ語形である。
この衛星はガリレオ・ガリレイによって発見されており、そのためイオ、エウロパ、カリストとあわせてガリレオ衛星と呼ばれている。公転周期がイオの4倍、エウロパの2倍という軌道共鳴の状態にある。
比較的明るい衛星で、双眼鏡でも観察できる。
表面
ガニメデの地表は、内側を回るエウロパと、外側を回るカリストの中間的な特徴を持っていると言える。
ガニメデの表面を特徴付けているのが、明瞭に区切られた明暗2種類の地形である。暗い領域にはクレーターが多く、地殻変動をあまり受けていない古い地域である。一方、明るい領域には溝のような地形 (groove) が卓越しておりクレーターが少なく、暗い領域よりも後に作られた領域であると考えられる。溝地形は、表面に生じた引っ張り応力による正断層の集合と考えられているが、詳しい成因は良く分かっていない。似たような地形は同じガリレオ衛星であるエウロパや、土星の衛星エンケラドゥスにも見られる。
これらの地形の上に、さらに最近になって作られたクレーターが点在している。クレーターはギリシア神話および中近東各地の神話から名付けられている。
内部構造
かつてガニメデの内部構造には諸説あった。しかしガリレオ探査機による重力場などの詳細な調査の結果、ガニメデの内部は地球のようにいくつかの層を成していることが強く示唆された。21世紀初頭現在、ガニメデは中心から、液体金属質(金属鉄か硫化鉄[1])の核、岩石のマントル層、軟弱な氷の層、硬い氷の地殻という構造に分離していると考えられている。また、ガニメデの磁場や地表の活動とこの内部構造の間には関連があると見られている。
大気
1972年に、ガニメデに薄い大気があるという観測がなされたが、1979年のボイジャー1号による遮蔽観測では確認されなかった。1995年にハッブル宇宙望遠鏡を用いた遠紫外線分光分析により、酸素原子を持つ大気が発見された[2][3]。これは衛星表面の氷の水分子が荷電粒子になどにより遊離して生成されたものと考えられている。大気圧は非常に薄く、0.2から1.2 × 10−5 μバールと推測されている。