アレキサンドリア (ガンダムシリーズ)
アレキサンドリア (ALEXANDRIA) は、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀を舞台にした作品に登場する地球連邦軍及びティターンズ所属の架空の艦艇。
概要
テンプレート:機動兵器 デラーズ紛争を経てティターンズ結成直後に竣役した一年戦争後の連邦軍主力艦艇の第1世代である。当初よりモビルスーツ運用を前提としており、ペガサス級を基にムサイ級を始めとする旧ジオン軍艦艇を参考として建造された。艦首上下にカタパルト2基ずつ計4基を備え、単艦で艦隊相当(サラミス改級軽巡4隻分)の働きをすべく設計されている。
艦体の主要ブロックは独立した構造で、艦首部と左右の機関部は艦橋を備えた主艦体と支柱で連結された三脚構造状になっている。主艦体の真下、機関部に挟まれた場所に箱状の副艦体がある[1]。
ネームシップであるアレキサンドリアの艦体色は、ティターンズのシンボルカラーとして所属艦船の殆どに塗装されたネイビーブルーである。
発展型にロンバルディア級戦艦がある。
- 設定解説
- 綴りこそ違うもののアレキサンドリア=イスカンダルとして、『Ζガンダム』制作時における監督の富野由悠季にとっての「仮想敵」のひとつが、前作同様『宇宙戦艦ヤマト』なのではないかと放送当時のアニメ誌では分析されていた。
- 全長について、後述する同型艦の「ガウンランド」は「354m」と設定されているが、本艦や他の同型艦については設定が定まっていない。「推定約250m」とする資料もあるが、全長341.7m又は323mとされるアーガマ級と本艦との対比図では、ほぼ同じ長さで描かれている。
- 劇中での活躍
- 『機動戦士Ζガンダム』に登場。ドゴス・ギア就役までティターンズの旗艦として活動し、その後もサイド2・25バンチコロニーへの毒ガス注入を試みるなどエゥーゴを苦しめた。グリプス決戦時にコロニーレーザーの照射を受けて消滅、ガディ艦長や乗組員も戦死を遂げた。
同型艦
- アスワン (ASWAN)
- 雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。ティターンズ・テスト・チーム所属。艦体色は濃淡二色の紺色の境界にオレンジのラインが入ったもの。グリプス戦役後半のコロニーレーザー攻防戦において撃沈。
- アルカスル (ALQASR)
- 漫画 『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』に登場。ティターンズ所属。艦長はフォルマ・ガードナー。
- アル・ギザ (AL-GIZEH)
- アニメ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。ティターンズ所属。デラーズ紛争後、元アルビオンクルーの多くが配属される。艦体色はネイビーブルー。艦橋部のレーダーの形状がペガサス級のものに類似している。
- ガウンランド (GAUNLAND)
- アニメ『機動戦士Vガンダム』に登場。地球連邦軍所属。近代化改修により艦首にビームシールドを装備し、独特の三脚構造を廃した外見は同型艦に比べてかなり異なる。また、初登場時に大気圏内を飛行している所からミノフスキークラフトも装備されている模様である。逆配置されているはずの下部MSハンガーなどが、重力中でどうなっているのかは不明である。
- 同級の進宙から実に70年以上も経過している旧型艦ではあるが、U.C.153年の主力MSに比べ大型MSが主力であったデラーズ紛争~グリプス戦役期の設計のため、ザンスカール戦争期では格納スペースやカタパルトに余裕ができていた。リガ・ミリティアに協力した連邦軍艦のうちのひとつで、開戦初期にアイルランドのロンドンデリー駐屯地よりリガ・ミリティアに派遣され、カミオン隊に合流している。カイラスギリー攻防戦では最終的にリモコン操縦され、無人のまま盾として使用され中破、攻防戦後にリーンホースに牽引されラビアンローズ入りを果たした。艦のパーツの一部はリーンホースJrの改修に使用されたともいわれている。
- ハリオ (HARIO)
- アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場。艦長はテッド・アヤチ少佐。ティターンズの本拠地グリプスと連邦軍の宇宙拠点ルナIIとの中継の任を担う。艦載モビルスーツはザクキャノン(劇場版ではハイザック連邦軍仕様)など。独特な形状のブリッジや後部デッキを有しており、エンジンブロック後端の放熱板も撤去されている。武装についてもブリッジ両舷の連装対空砲に換えて同じ位置に中間サイズの連装砲を備えている等、若干の強化が確認でき、同級艦の中でもひと際特徴的な外観を持つ。艦体色は濃淡二色のグリーン系。また、シナリオではコロニーレーザー攻防戦において撃沈され、カミーユ・ビダンがエマ・シーンの最期を看取った場とされるが、画面で確認する限り、これは本艦ではなく別のアレキサンドリア級である[2]。
- ベオグラード (BEOGRAD)
- 漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』に登場。ティターンズ所属。艦長はハンク・ライアン大佐。
- メソポタミア (MESOPOTAMIA)
- 小説『モビルスーツコレクション・ノベルズAct.3「宇宙の咆哮」』に登場。ティターンズ所属。艦長はエメット・ブラウン中佐。アレキサンドリア級4番艦にあたる。
ロンバルディア級
ロンバルディア (LOMBARDIA) は、アレキサンドリア級を発展させた宇宙戦艦で、艦種や艦型が異なっているのにも関わらず、アレキサンドリア級とされることが多い。アレキサンドリア級と比較するとMS母艦(宇宙空母)としての機能に特化しており、強力な個艦火力はないが格納庫を拡大し、搭載機数とMS運用能力を大幅に向上させた大型艦である。また、一見、何処が艦橋なのか判断が困難な偽装が施されており(しかもダミーブリッジが下部にある)、そういったソフト面も含めて防御力の向上も見られる。塗装は濃淡二色のグリーン系。
カタパルトデッキを持つ主艦体の上へ副艦体を載せた構造で、艦橋を艦体に半埋没させた平甲板型なのが外見的特徴。MSカタパルトは艦首上下に各2基、計4基[3]を備える。機関部には可動式のベクタードノズルと大型のサイドスラスターがあり、上下左右への機動性はアレキサンドリア級よりも改善されているようにも見受けられる。武装は単装メガ粒子主砲×2。単装メガ粒子砲×4の他、ミサイルランチャー多数。
サイド2へG3攻撃を掛けるティタ-ンズ艦隊の旗艦として、テレビ版42話に初登場。44話にも再登場し、ゼダンの門空域にてジャミトフ・ハイマンとハマーン・カーンの会見場所として使用されている(本艦ではなくハリオであるとの説もある)[4]。会見場には気密性のある防護ルームが備わっており、これによってジャミトフは青酸ガスを用いたハマーンの暗殺から逃れることに成功していた。45話にもワンカットだけ姿を見せている。同型艦の存在は、言及されていない(劇中では個艦名が呼称されず、登場したのが一番艦「ロンバルディア」なのかすら不明である)。