オオトラツグミ

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テンプレート:生物分類表 オオトラツグミ(大虎鶫、大虎鶇、学名テンプレート:Snamei、英名:Amami Thrush)は、スズメ目ツグミ科に分類される鳥類の1種であるトラツグミ亜種である。独立種とする説もある[1][2]

分布

日本奄美大島にのみ留鳥として生息する[3][2]。隣接する加計呂麻島では、伝聞として冬に渡来した可能性が示唆されている[4]。NPO法人奄美野鳥の会等により継続して実施されている繁殖期の調査により、2006年頃から個体数、分布域ともに回復傾向にあり、2010年頃からは300羽以上のさえずっている個体が確認されている[5]

形態

全長は約30cmで、トラツグミとその近縁種中では体が最大の個体群である。トラツグミと外見は似ており、羽の色がやや暗色で紋様が不鮮明である。野外での識別はかなりむずかしい。尾羽の枚数が、本種は12枚、トラツグミは14枚である[6]

生態

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独立種としての扱い

本種は、2012年時点での分類ではトラツグミの亜種(学名:テンプレート:Snamei)とされている[7] が、尾羽の枚数という形態的に明らかな違いがあること、つがい形成と繁殖に重要な機能を持つさえずりがまったく異なること(トラツグミは「ヒィー、ヒィー」または「ヒョー、ヒョー」、オオトラツグミは「キョロン、ツリリ〜」)、生息地で越冬もするトラツグミ(個体群は不明)と交雑は確認されていないことなどから、独立種とする説もある[1](生物学的の概念)。ユーラシア大陸の東〜東南及びヒマラヤ地帯に広く、多様な近縁個体群が分布しており[8]、全体の系統解析が望まれる。

なお、学名は、日本鳥学会 (1974)[9]において、 テンプレート:Snamei を記載し、石田・樋口 (1990)[1]は、その時点の世界の目録を参照して テンプレート:Snamei としているが、日本鳥学会 (2000)[10]及び日本鳥学会 (2012)[7]では、テンプレート:Snamei とされている。2012年時点では、これを用いるのが誤解を招かない。

人間との関わり

1990年代までは、生息地である壮齢の照葉樹林の伐採等による減少と分断化により、絶滅の危険性が高いと考えられたが[2]、森林の回復や侵略的外来種フイリマグースの駆除事業の成果等が明らかになってきた2006年頃から、個体群は回復傾向にある[5]

下記の指定等をうけている。

脚注

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参考文献

  • 『奄美の野鳥図鑑』公益NPO法人奄美野鳥の会編 (2009)
  • オオトラツグミの分布,生態および保護. 石田健・金井裕・金城道男・村井英紀. 平成元年度環境庁委託調査、特殊鳥類調査(報告書)、財団法人・日本野鳥の会, p41 - 63. (1990)
  • NPO法人奄美野鳥の会のオオトラツグミ調査関連URL(2012年までの結果)
  • Ogawa, M., Notes on Mr. Alan Owston's collection of birds from the islands lying between Kiushu and Formosa. Annot. Zool. Japon 5, p.175 - 232 +3pl.
  • 『日本産鳥類目録』第7版, 日本鳥学会編 (2012), 第6版 (2000), 第5版(1974)
  • オオトラツグミの形態と分類, 石田健・樋口広芳. 平成元年度環境庁委託調査、特殊鳥類調査(報告書)、財団法人・日本野鳥の会, p65 - 78. (1990)
  • Handbook of the Birds of the World, Vol.9, J.D.Hoyo, A. Elliot, D. Christie (eds.), Lynx (2005)
  • 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物2 鳥類』, 環境省自然環境局野生生物課編. 財団法人自然環境研究センター, (2002)

関連項目

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  1. 1.0 1.1 1.2 オオトラツグミの形態と分類, 石田健樋口広芳. 平成元年度環境省委託調査、特殊鳥類調査(報告書), 財団法人日本野鳥の会, p65 - 78. (1990)
  2. 2.0 2.1 2.2 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物2 鳥類』, 環境省自然環境局野生生物課編. 財団法人自然環境研究センター, (2002)
  3. 『奄美の野鳥図鑑』 NPO法人奄美野鳥の会編 (2009)
  4. オオトラツグミの分布,生態および保護. 石田健・金井裕・金城道男・村井英紀. 平成元年度環境庁委託調査、特殊鳥類調査(報告書)、財団法人・日本野鳥の会, p41 - 63.(1990)
  5. 5.0 5.1 NPO法人奄美野鳥の会のオオトラツグミ調査関連URL(2012年までの結果)
  6. Ogawa, M., Notes on Mr. Alan Owston's collection of birds from the islands lying between Kiushu and Formosa. Annot. Zool. Japon 5, p.175 - 232 +3pl.(1905)
  7. 7.0 7.1 『日本産鳥類目録』第7版, 日本鳥学会編 (2012)
  8. Handbook of the Birds of the World, Vol.9, J.D.Hoyo, A. Elliot, D. Christie (eds.), Lynx (2005)
  9. 『日本産鳥類目録』第5版, 日本鳥学会編(1974)
  10. 『日本産鳥類目録』第6版, 日本鳥学会編 (2000)
  11. 第4次レッドリストの公表について 環境省報道発表資料、2012年8月28日