エンケ彗星

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エンケ彗星(えんけすいせい、2P/Encke)は周期3.3年で太陽の回りを公転する彗星

現在知られている周期彗星の中で最も短い周期を持つ。ハレー彗星の次に周期性が確認された彗星である。

初めてこの彗星が確認されたのは1786年のことで、メシエ天体シャルル・メシエの協力者としても有名なピエール・メシャン (Pierre Mechain) によって発見された。

その後、1795年1805年1818年にも確認されている。そして1822年ヨハン・フランツ・エンケ (Johann Franz Encke) の軌道計算によりこれらの彗星が同一の周期3.3年の彗星であることが確認された。そこでこの彗星をエンケ彗星と呼ぶようになった。

エンケ彗星は遠日点距離が約4.0天文単位であり、木星摂動の影響を強く受ける。そのため公転周期は木星の公転周期(11.86年)とほぼ7:2の軌道共鳴関係になっている。

エンケ彗星はおうし座流星群母彗星と考えられている。過去にエンケ彗星やおうし座流星群の流星体と同じような軌道を持っていたと考えられる小惑星や小流星群の流星体が知られている。これらを総称しておうし座流星群複合体 (Taurid complex) と呼んでいる。これらは過去に巨大な一つの彗星が分裂して生じた破片(クロイツ群彗星)だとする説が唱えられている。また、「ツングースカ大爆発」の原因はこの彗星の破片が引き起したものではないかと唱える意見も存在する。軌道周回期間は徐々に速くなっている事が確認されている。これは彗星核から放出されるダストやイオンの放出が徐々に大きくなり、ジェット効果が強まっているのではと見る声もある。

遠日点に至るまで年中観測が可能になった為、1970年の検出(1970l)を最後に旧仮符号が与えられなくなった。当時このような扱いを受けた周期彗星はシュワスマン・ワハマン第1彗星など一部の円軌道の彗星に限られていた。1995年に周期彗星の検出の定義が変更されたため、現在では原則として周期彗星が回帰しても、エンケ彗星と同様に認識符号は付与されない。

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