エオリアン・ハープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エオリアン・ハープ(Aeolian Harp)は弦楽器の一種。自然に吹く風により音を鳴らす。ギリシャ神話の風神アイオロスに由来する。
ショパンの練習曲Op.25-1を聞いたシューマンの「まるでエオリアンハープを聞いているようだ」という感想から、この曲の愛称としても知られる。
ギリシャ時代からあったといわれるが、近代ではアタナシウス・キルヒャーがこれを再現し、18~19世紀にかけて使用された[1]。
構造
木製の筐体と弦のみで構成されており、中には風を効率よく集めるフラップを持つものもある。音が鳴る原理は、弦を通過した空気がカルマン渦を発生させ、それを加振力として弦が共振を始め、筐体で共鳴させるというものである。通常の楽器では避けるべきものとされるヴォルフトーンを積極的に利用し、少ないエネルギーで音を出す工夫がなされている。弦は心地良く聞こえる和音の組み合わせになっており、音色は調律にはほとんど左右されず、弦の直径と風速で決まるという特徴を持つ。