イールドカーブ
テンプレート:出典の明記 イールドカーブ(テンプレート:Lang-en-short、利回り曲線)とは、残存期間が異なる複数の債券などにおける利回りの変化をグラフにしたもの。横軸に残存期間、縦軸に債券などの利回り(投資金額に対する利息の割合;1年間)をとる。
残存期間が長いほど現金として返ってくるのに時間が掛かるというプレミアムがついたり、金利変動リスクが高まることなどから、通常は利回りは残存期間が長くなるほど高くなり、イールドカーブは右上がりの曲線となる。
例を挙げると、債券・定期預金は一般に1年満期のものより、2年満期のもののほうが一年あたりの利率が高い。
金利リスク
残存期間が長いほど、金利変動の影響を大きく受けることになる。つまり、翌日償還の債券は金利変化の影響をほとんど受けないだろうが、残存期間が10年程度あれば、その間に金利がどのように動くかによってその債券への投資の優劣は大きく影響を受ける。たとえば市場の金利が上昇した場合、低い利回りのままの債券に投資したことは失敗となる。
残存期間が長いほど、その金利変動リスクのプレミアムが大きくなることから、利回りが高くなる。この場合、X軸を償還期間、Y軸を利率としてグラフを作ると、右上がりの曲線になる。
将来リスク
債券発行体の信頼性は、遠い将来ほど低下する。明日は倒産しないだろうし、1年後も大丈夫そうだが、10年後となると分からないといった具合である。この場合、1年満期と10年満期が同じ金利であれば、みな1年満期を選び、満期後に買いなおすという行動でリスクを低下させるであろう。そのため、償還期間の長い債券を発行する場合は金利を上乗せしなくては発行が困難となる。この将来に対するリスクプレミアムのため、イールドカーブは右上がりの曲線になる。
フラット化、スティープ化、逆イールドカーブ
イールドカーブは多くの場合右上がりになる。
短期の債券と長期の債券の金利差が小さくなると、イールドカーブの傾斜が緩やかになる。これをフラット化と呼ぶ。
短期の債券と長期の債券の金利差が大きくなると、傾斜が急になる。これをスティープ化と呼ぶ。
また、まれに短期の債券より長期の債券の金利が低くなること(長短金利の逆転)がある。この場合のイールドカーブは右下がりの曲線になる。これを逆イールドと呼ぶ。