アーノルド坊やは人気者
アーノルド坊やは人気者(アーノルドぼうやはにんきもの、原題: Different Strokes)は、アメリカのテレビ局(1978年から1985年まではNBC、1985年から1986年まではABC)で放映された30分のシットコム。制作はタンデム・プロダクションおよびエンバシー・テレビジョン。貧民街出身の黒人兄弟が白人の富豪の養子となり同居する設定で、笑いに交え人種差別問題を取り上げ人気をよんだ。全8シーズンで189話が製作された。
日本でも吹き替えで相当数のエピソードが放送された。全国ネットでの放送はなかったものの、各地のローカル局で放送された。日本語版は中部日本放送(TBS系列、CBC)と東北新社によって製作された。JNN排他協定の対象外のため系列外で放送されるケースもある。なおCBCでは1982年3月11日[1]より毎週木曜19:00からの30分枠で松坂屋一社提供として放映された。
目次
概要
主人公の黒人少年アーノルド・ジャクソンは、母の死をきっかけに兄のウィリスと共に、母が家政婦として務めていた白人の資産家ドラモンドの養子となり、ドラモンドの娘キンバリーと共に暮らすことになる。このコメディは、ドラモンド家の中で起こるさまざまなエピソードを軸として、シリアスな人間模様をコメディー形式で描いている。
作品には、モハメド・アリら有名人のゲストが来ることがあった。コメディでありながら、麻薬や人種差別問題などシリアスなテーマを取り上げていた。
登場人物
- アーノルド・ジャクソン
- 演:ゲーリー・コールマン、吹替:堀絢子
- 主人公。ドジでよく失敗するが持ち前の話術で乗り切る。「冗談(は)顔だけにしろよ。」が決めゼリフ。 ぽっちゃりほっぺがトレードマーク。
- ウィリス・ジャクソン
- 演:トッド・ブリッジス、吹替:野沢雅子
- アーノルドの兄。アーノルドとはとても仲が良い。スポーツ万能で、女の子によくもてる。
- フィリップ・ドラモンド
- 演:コンラッド・ベイン、吹替:川久保潔
- アーノルドの養父。いつも家族を優しい目で見守っている。曲がったことは嫌い。
- キンバリー・ドラモンド
- 演:ダナ・プラトー、吹替:瀬戸薫
- フィリップの娘。頭が良く負けず嫌い。
- エドナ・ギャレッド夫人
- 演:シャーロット・レイ、吹替:寺島信子
- 初代お手伝いさん。
- アデレード・ブルベーカー
- 演:ニドラ・ボルツ、吹替:?
- 2代目お手伝いさん。
- パール・グレッグハー
- 演:メアリ・ジョー・ギャットレット
- 3代目お手伝いさん。
主な有名人のゲスト
- モハメド・アリ(プロボクサー。元世界チャンピオン)
- ジャネット・ジャクソン(ミュージシャン。マイケル・ジャクソンの妹)ウィリスの彼女役でセミレギュラー。
- ナンシー・レーガン (レーガン元大統領夫人)
- デイヴィッド・ハッセルホフ (「ナイトライダー」のマイケル・ナイト役)
- ミスター・T(「特攻野郎Aチーム」のコング役)
- モリー・リングウォルド(後に全米のアイドルとなる女優)
- フォレスト・ウィテカー(俳優)
トリビア
「冗談は顔だけにしろよ」の背景
アーノルドの「冗談は、顔だけにしろよ。」は元々のセリフの直訳ではなく、日本語版の翻訳の際に日本の視聴者向けに作られた言葉。オリジナル英語版では"Whatchoo talkin'bout, Willis?"(お前何言ってんだよ、ウィリス?)といい、この番組のトレードマークになった。
番組名の由来
番組名の原題「Diff'rent Strokes」は英語の慣用句"diff'rent strokes for diff'rent folks"(人それぞれ、十人十色といった意味)から来ているが、これはスライ&ザ・ファミリー・ストーンの1968年のヒット曲「Everyday People」の有名なフレーズとして知られている(2005年にリリースされたスライ&ザ・ファミリー・ストーンのトリビュートアルバムのタイトルにもなっている)。日本以外では「白と黒」(Blanco y Negro、スペイン語圏)「ハーレム対マンハッタン」(イタリア)「他に質問は?アーノルド」(ドイツ)などの翻訳題で放送された。
キャストたちのその後のトラブル
家族の絆を描き、1978年の放送開始から80年代中頃にかけて全米の国民的な人気を得たファミリー向けコメディーだが、皮肉にも3人の子役すべてがその後様々なトラブルを起こしていることでも知られる。
ゲーリー・コールマン
金銭トラブルによる自己破産を経て、暴行等により繰り返し逮捕・起訴されるなどしている。2007年、白人女性と結婚。しかし2010年5月28日、脳内出血により米ユタ州プロボの病院で42歳で死去。 テンプレート:Main
トッド・ブリッジス
ウィリス役のブリッジスは番組終了とともに人気が低迷。以後十年近くにわたって麻薬依存症などの問題を抱えることになった。1997年には、暴力事件で逮捕されている。
ダナ・プラトー
『アーノルド坊やは人気者』が放送中だった1984年に妊娠し、同番組への出演中止・解雇された。同年結婚するも、酒や麻薬への依存の悪化もあり、離婚。以降は女優としての仕事に恵まれず、経済的にも困窮、ポルノ映画へ出演するなどしていた。1991年には強盗の容疑で逮捕、翌1992年には処方箋偽造の容疑で再度逮捕されている。1999年、薬物の過量服用により自殺。34歳であった。 テンプレート:Main
日本語版スタッフ
- 演出:河村常平
- 翻訳:岩本令
- 効果:遠藤尭雄、桜井俊哉
- 調整:国松光敏
- 配給:(株)ソニーピクチャーズエンタテインメント
DVD
ソニー・ピクチャーズ・ホーム・エンタテインメント(アメリカ)から、第2シーズンまでの英語版のDVDが発売された。リージョン1対応(吹替や日本語字幕の収録はない)。
- The Complete First Season (2004)
- The Complete Second Season (2006)
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(ジャパン)から、第1シーズンのDVDが発売された。吹替音声も収録されているが、当時日本でカットされた場面や放映されなかったエピソードの音声は英語のみである(日本語/英語字幕も収録)。
- コンプリート 1st シーズン (2009年8月26日発売)
脚注
関連項目
外部リンク
- 私設アーノルド坊やは人気者ファンクラブ - 閉鎖。(2010年4月20日時点のアーカイブ)
- アーノルド坊やは人気者 DVD-BOX(ソニー・ピクチャーズ)
- テンプレート:IMDb title
- テンプレート:Epguides