阿毘達磨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(アビダルマから転送)
テンプレート:Sidebar 阿毘達磨(あびだつま、テンプレート:Lang-pi-short, アビダンマ、テンプレート:Lang-sa-short, アビダルマ、音写:阿毘曇(あびどん)、毘曇(びどん))とは、仏教の教説の解釈・注釈書。論書。対法。これらをまとめたものを「論蔵」と呼ぶ。
部派仏教時代には、とりわけ分析的煩雑な論書の作成が多く行われ、現代にも、当時の最有力部派で文献がもっとも多く漢訳された説一切有部や、南伝の上座部仏教に属するものが多く伝わっている。
説一切有部
七論(六足発智)
説一切有部で作られた論書(阿毘達磨)としては、
の7書が知られている。
婆沙論・倶舎論
更に、上記の『発智論』に対する注釈書として、
- 『(阿毘達磨)大毘婆沙論』(Mahavibhasa-sastra)
が書かれ、更に、その概説書として、(後に法相宗の祖となる)唯識派の世親によって書かれた論書が、
- 『(阿毘達磨)倶舎論』(Abhidharma-kosa)
である。
この『倶舎論』は、中国仏教・日本仏教圏にも伝わり、南都六宗の1つでもある倶舎宗を生んだ。
上座部仏教(分別説部)
論蔵七論
南伝の上座部仏教(分別説部)のパーリ仏典の論蔵(Abhidamma pitaka)には、
- 『法集論』(Dhamma-sangani)
- 『分別論』(Vibhanga)
- 『界論』(Dhatukatha)
- 『人施設論』(Puggalapannatti)
- 『双論』(Yamaka)
- 『発趣論』(Patthana)
- 『論事』(Kathavatthu)
の7書が伝えられている。
アッタカター・清浄道論
更に、アッタカターと呼ばれる後代の注釈も、ここに付け加えられたりする。
更には、5世紀の著名な注釈者であるブッダゴーサの著作である
- 『清浄道論』(Visuddhimagga)
も、広い意味での論書に数えられる場合もある。
脚注
関連書籍
アルボムッレ スマナサーラ , 藤本 晃 『ブッダの実践心理学 (アビダンマ講義シリーズ) 』一巻〜七巻 サンガ刊