黄金スペースシャトル
黄金スペースシャトル(おうごんスペースシャトル)とは、コロンビアの古い遺跡から発掘された、飛行機や宇宙往還機を思わせる黄金細工のこと。黄金シャトルや黄金ジェットとも呼ばれ、オーパーツの一種として紹介されることが多い。シヌー文化(紀元500年~800年)時代のものという説と、もっと古いプレ・インカ文明のものという説がある。
解説
コロンビアの首都ボゴタにある、国立銀行付属黄金博物館に展示されている。大きさは幅5センチ、高さ1センチほど、手に乗る大きさでペンダントなどの装飾品であったと思われる。
これを鑑定した動物学者のアイヴァン・T・サンダーソン博士は、他のどの生物とも似ておらず、三角翼と垂直尾翼がありジェット機やスペースシャトルにも見えるといったことから、「ベル・ヘリコプター」の設計者として知られるアーサー・ヤングに検証を依頼した。彼の検証の結果は、航空力学の理にかなった形状をしているというものだった。
しかし、同種の黄金細工はいくつもあるが、紹介されるのは大抵の場合この一つだけである。 これ以外にも、垂直尾翼がないもの、翼が大きく湾曲しているもの、目があるもの、ヒレや羽などの模様がついているものなどがあり、一般には魚や鳥を模したものという説明がされている。当然、魚や鳥がモデルであれば流体力学的に「理にかなった」形状を持っていても不思議ではない。中でもモデルとして有力視されている生物に、同じ南米に生息するナマズの一種であるプレコが挙げられる。この付近に生息するプレコは華やかな色彩のものが多いため、黄金細工の対象として選ばれたと考えられている。
また、発見場所のコロンビアとナスカの地上絵のあるペルーが場所的に近いことや、黄金スペースシャトルとナスカの地上絵の造られた年代が一致することから、なんらかの関わりがあるのではないかとも言われているが、定かではない。
なお、これらの黄金細工をもとにして、翼幅80センチから100センチの、いわば模型飛行機を製作して飛行させた例があるが、現在は模型(ラジコン)用エンジンおよび電動モーターの性能が向上しているので、多少、空力的に無理のある機体でも、高出力にして強引に飛ばすことが可能である。したがって、模型が飛行したからといって、特にこれらが飛行機をもとにしている、という証左とはなりえない。
参考文献
- 『超常現象大事典』- 羽仁礼(2004年,ISBN 9784880861159)