鷲 (トールキン)
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鷲(わし、Eagles)は、J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』、『シルマリルの物語』に登場する生物で、ヴァラールの一人マンウェによって創られた高貴で強力な生き物である。映像作品では一切表現されていないが、自由の民の言語を話すこともできる。イスタリのガンダルフとは共にマンウェに仕える者としても共通しており、度々協力をする場面がみられた。第三紀の「鷲の王」(後述のグワイヒアとは別の個体と思しい)が茶のラダガストからの要請を受けてガンダルフをオルサンクから救出したのが初めとされ、ラダガストの方が鷲族との交流が長い可能性がある。
その力は竜に匹敵したと言う。上古の時代の鷲の王ソロンドールは、翼幅が54メートルにも達したといわれた。ソロンドールを始めとする上古の者たちは超絶な大戦「怒りの戦い」の後に不死の国に渡ったとされる。
『指輪物語』では風早彦グワイヒアが鷲達の長として登場する。グワイヒアは上古の時代の鷲たちのうち最も小さい者よりもさらに小さかったが、それでもたやすく人を乗せて何リーグも飛べるほどの大きさであった。かれおよびかれの兄弟・仲間達は指輪戦争の折、援軍として駆けつけている。
大鷲族の出自について、ガンダルフやバルログなどと同様にマイアとする可能性も示唆されている(敵である竜も同様である)。 指輪戦争をはじめ、彼らは自由の民の味方をする場合が多いが、積極的な介入は行わない。これは、彼ら自身が中つ国の運命に深く介入することをヴァラールから禁じられているからであり(ガンダルフたちイスタリがマイアの真の力を使えず魔法を多用することも出来ない理由に共通する)、また人里近くに飛来すると恐怖した人間たちからの攻撃を受けるので可能な限り接触はさけている節もある。