遊歩道 (来生たかおのアルバム)
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テンプレート:Infobox 『遊歩道』(ゆうほどう)は、1982年にリリースされた来生たかおの8枚目のオリジナルアルバム(LP〈規格品番:28MS-0020〉/CT〈規格品番:28CS-0020〉/CD〈規格品番:3133-2〉)である。
目次
[非表示]概要
- ※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。
ジャケット写真は来生の意向が反映され、自身の散歩コースでもある緑豊かな小金井公園(東京都)で撮影された[1]。コートとハンチング帽を掛けたポールハンガーを傍らに配したアップライトピアノに、来生がぼんやり凭れているもので、敬愛するギルバート・オサリバンの代表曲「Alone Again(Naturally)」のジャケットを意識したものと思われる。ちなみに、本アルバムに収録された第13弾オリジナル・シングル「疑惑」(1982年12月1日リリース)のジャケットには、アップライトピアノの上で胡坐を掻いた写真が使われており、さらに似通ったものになっている。
編曲及び演奏で坂本龍一が参加している。来生は以前からそのセンスを気に入っていたため依頼したという[2]。これが縁で、来生が美空ひばりへ提供した「笑ってよムーンライト」「まなざしの彼方」「あなたでなければ」の編曲も担っている[2]。なお、編曲者の“矢倉銀”は、来生のペンネームである。
CDは、翌年1983年3月16日にリリースされた。来生のオリジナル・アルバムでは初めてのCD化である。
復刻盤
- 1991年4月25日:CD(規格品番:KTCR-1051)
- 1995年7月21日:歌手デビュー20周年に際し、CD選書Q盤として高城賢によるデジタルリマスター化(規格品番:KTCR-1563)。
- 2007年3月21日:オリジナル・アルバム、企画アルバムを集めた21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』(ユニバーサルミュージック/規格品番:UPCY-6355/75)に1995年版を収録(規格品番:UPCY-6362)。
パッケージの体裁
ディスクジャケット
- オリジナル版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、歌詞カード)を挿入
- 1991年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード〈ジャケットの内側にも歌詞の記載あり〉)を挿入
- 1995年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード、既出オリジナル・アルバムのディスコグラフィー)を挿入
- 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード)を挿入(厚紙製収納ケース付き)
帯のコピー
- LP:夢の途中につづく、来生たかおオリジナル・アルバムは、星勝、坂本龍一らを編曲陣に迎えた一年がかりのファンタジー・ポップ。
- オリジナル版CD:?
- 1991年版CD:記載なし
- 1995年版CD:シックなトーンが全編を彩る、ファンタジー・ポップ 「High Noon」、「坂道の天使」を含む、8thアルバム。(“20th anniversary”の記載あり)
収録曲
- LP版・CT版(CD版は省略)
※各曲の収録時間はLPの記載に準拠
SIDE 1
- High Noon(7:42)
- 蜜月(4:22)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:坂本龍一
- 渚のほのめき(4:08)
- Midnight Step (4:09)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:坂本龍一
- 歌詞は、来生えつこが憧れた映画『ウエスト・サイド物語』のようなアメリカ的風景を、真夜中のガソリンスタンドに重ね合わせたところから生まれた。ガソリンスタンドを“オイルスタンド”と記しているのは、語呂が良いからだという[4]。
SIDE 2
- 疑惑(4:23)
- 坂道の天使(3:52)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:坂本龍一
- 来生えつこによれば、主人公の“薄墨色のコート”は『刑事コロンボ』がヒントになっており、来生自身、コロンボ風のコートを着ていたことがあったという[5]。
- 来生は、ギルバート・オサリバンに歌って欲しいと語ったことがある[6]。また、自分自身に近い人物が描かれている楽曲としても挙げている[7] 。
- 蟠り(4:00)
- テレフォン・ララバイ(4:12)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- スローナイト(4:35)
参加ミュージシャン
- Keyboards:野力奏一 (SIDE1-1/SIDE2-1,4)、坂本龍一 (SIDE1-2,3,4/SIDE2-2)、中西康晴(SIDE2-3,5)
- Casiotone HT-400:来生たかお(SIDE1-1/SIDE2-4)
- Electric Piano:松田真人(SIDE2-4)
- Electric Guitar:鈴木茂(SIDE1-1)、大村憲司(SIDE1-3,4/SIDE2-2)、松原正樹(SIDE1-4)、芳野藤丸(SIDE2-1)、椎名和夫(SIDE2-1)、長井充(SIDE2-3,5)
- Acoustic Guitar:大村憲司(SIDE2-2)
- Electric Bass:ミッキー・長岡(SIDE1-1/SIDE2-1)、富倉安生(SIDE1-3,4)、岡沢章(SIDE2-2)、高水健司(SIDE2-3,5)、伊藤広規(SIDE2-4)
- Drums:菊池丈夫(SIDE1-1/SIDE2-4)、上原豊(SIDE1-3,4/SIDE2-1)、坂本龍一(SIDE2-2)、田中清(SIDE2-3,5)
- Latin Percussions:中島御(SIDE1-1/SIDE2-1,3,4,5)、浜口茂外也(SIDE1-3,4)
- Chorus:山川恵津子(SIDE1-1/SIDE2-4)、鳴海寛(SIDE1-1/SIDE2-4)、松田真人(SIDE1-1/SIDE2-4)、伊集加代子(SIDE2-3,5)、和田かよ子(SIDE2-3,5)、鈴木ひろ子(SIDE2-3,5)
- Strings:加藤グループ(SIDE1-1,2/SIDE2-2,3,5)
- Synthesizer & Emulator:坂本龍一(SIDE1-1)
- Flute:衛藤幸雄(SIDE1-1)
- French Horn:山口弘治(SIDE1-1)
- Flügel Horn:中沢健次(SIDE1-1)、数原晋(SIDE2-5)
- Marinba:金山功(SIDE2-1/SIDE2-5)
- Trumpet:数原晋(SIDE2-1)
- Saxophone:村岡健(SIDE2-1)、沢井原兒(SIDE2-1)
- Trombone:新井英治(SIDE2-1)
- Linn Real Drum:坂本龍一(SIDE2-2)
- Synthesizer:坂本龍一(SIDE2-2)、川島裕二(SIDE2-3/SIDE2-5)
- Harp:入江愛子(SIDE2-5)
- All Instruments(except Strings):坂本龍一(SIDE1-2)
参加スタッフ
- Producer:多賀英典
- Director:本間一泰
- Recording & Remix Engineer:高城賢
- Assistant Engineer:平良昌弘
- Cover Concept:来生たかお
- Design:宮川隆(工作舎)
- Photography:佐々木渉(工作舎)
- Stylist:加藤悦、玉岡淳子
- Cordination:加藤博(工作舎)
- A & R:岩瀬貞行、井上彬
- Production Management:キティアーティスト
- Special Thanks To 石谷仁、丸山好信、Staff of “ヨロシタ ミュージック”、The House of 1999、BARBICHE, MEN'S BUGI, SOUL TRIP
脚注
テンプレート:Reflist- 元の位置に戻る ↑ ファンクラブ「TAKAO CLUB」のダイジェスト会報『DECADE』
- ↑ 以下の位置に戻る: 2.0 2.1 NHK-FM『SOUND MUSEUM』(2010年12月19日)
- 元の位置に戻る ↑ ファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.27
- 元の位置に戻る ↑ 来生えつこ著『夢の途中に』(リクルート出版/1990年)
- 元の位置に戻る ↑ ファンクラブ「来生たかおインフォメーションデスク」の会報『別冊 来生たかお』2000年最終号
- ↑ 以下の位置に戻る: 6.0 6.1 『égalité』vol.16
- 元の位置に戻る ↑ 『égalité』vol.28
- 元の位置に戻る ↑ 楽譜『来生たかお・コンサート・アルバム』(KMP〈協楽社〉/1982年10月5日)