茹でる
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茹でる(ゆでる)とは、食材を大量の沸騰させた水(湯)の中で加熱する調理法である。湯掻く(ゆがく)ともいう。
概要
煮るとの大きな違いは、単に湯の中で加熱することを主目的とする点で、軽く塩を加えることがある以外、基本的に味付けを行わない所にある。塩を入れてゆでる方法を塩茹でという。後の調味などの前の下拵えを目的とした茹でを特に下茹でと称する。
水に食材を入れてから茹でてゆく場合と、沸き立った熱湯に食材を入れて茹でる場合とがあり、食材によって茹で方が異なる(一般的には、根菜の場合には煮くずれを防ぐために前者の方法、葉菜の場合には変色を防ぐために後者の方法がとられる)。
茹でる際に用いた湯は通常廃棄され、食材のみが利用されるが、料理によっては茹で汁を残しておき利用する場合もある。特に蕎麦の茹で汁は、蕎麦湯と称して、飲用にする。
目的
※調味(味付け)は原則的に行わない。
- 加熱により食材の組織を破壊する。
- 食材をやわらかくする。
- 食材のえぐみ、臭みを取り除く。肉・魚類の余分な脂肪分を取り除く。
- 後の調理の際に食材に味が染み込み易くする。
- 特に麺において、水分含有量を高める。
- 摂氏100度近い温度を保ちながら加熱する。
- 肉、魚などの水溶性の蛋白質を凝固させる為に短時間茹でることを表面が白くなることを霜に見立てて霜降りにすると言う。
- 中華料理でよく行われる油通しにも同様の目的がある。
- 少量の油を入れて茹でることもある。温度が上がり、短時間で仕上がるため、野菜は色よく茹でられる。パスタは茹で上げたあとくっ付きにくくなる
- 海由来の魚介類を茹でる際、体液(旨み成分)が茹で湯に染み出ることを防ぐために、茹で湯の浸透圧を海水に近づける工夫を行うことがあり、塩茹でと称する。茹で湯に塩を入れるが分量は「海水程度の塩辛さ」と表される。入れられる塩は調味目的ではない。
茹でる際の注意すべきこと
茹ででは水を使用することから、壊れた組織から水溶性の成分(旨味、甘味、苦味、ビタミンCなど)が出過ぎないように留意する必要がある。流出した成分を有効利用するためにゆで汁を使う蕎麦湯、オイスターソース、豆汁のような例もある。