益(えき)は、古代中国の伝説上の人物。帝舜と帝禹に仕えた。
帝舜の時代には、虞(山沢を司る官)を務め、禹とともに治水などの政治を行った。
禹が帝になったあとは、禹に仕えた。帝禹のもとで政治を取り仕切った皋陶が死んだ後に、益は政治の取り仕切り役となった。
『史記』「夏本紀」によれば、禹は死に際して、益に帝位を譲ろうとしたが、3年間の禹の喪が終わると禹の子である啓に帝位を譲って箕山に隠棲した。これには、益が政治をとることに不慣れであったために諸侯が啓の側についたという理由もあった。
また、『竹書紀年』によれば、益が帝位を継いだが、啓が益を殺して、帝になった。