法政大学大原社会問題研究所
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法政大学大原社会問題研究所(ほうせいだいがくおおはらしゃかいもんだいけんきゅうじょ)は、社会・労働関係の研究所、専門図書館。 現在は法政大学に附属する研究機関だが、設立当初は「大原社会問題研究所」と称し、大学とは別の機関であった。
1919年、実業家の大原孫三郎によって大阪に設立(「大原」の名はこれにちなむ)、1922年12月に財団法人化した。初代所長には国際労働会議労働者代表選出問題で東京帝大を辞任した高野岩三郎を迎えた。大内兵衛、森戸辰男、山名義鶴など、主として社会政策学会左派の研究者が集まり、昭和初期の厳しい時代にも社会科学の研究を続けた。1937年に東京に移転。1949年財政難のため法政大学の附属機関になり、財団法人を解散したが、1951年に再度、財団法人となった。1986年に同大学社会学部・経済学部の移転に伴い、東京都町田市に移転するとともに、財団法人を解散し名実ともに法政大学の附属する研究機関となった。
『日本労働年鑑』、『日本社会運動史料』、『大原社会問題研究所雑誌』(月刊)などを刊行。向坂逸郎の旧蔵書や協調会旧所蔵の資料などを所蔵・一般公開している。とくに日本における社会運動史・労働運動史のコレクションが充実している。これらの資料は『大原デジタルライブラリー』としてデータベース化されるとともに、多くがWEBサイトで公開もされている。とりわけ刊行した資料集に基づく日本労働年鑑や『社会・労働運動大年表』データベース、『社会・労働運動大年表』解説編は膨大な情報を提供している。
2012年4月現在の所長は原伸子。