永田一脩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
永田一脩(ながた いっしゅう、1903年 - 1988年)は、日本戦前期の、前衛美術系およびプロレタリア美術系の画家、写真家、グラフィックデザイナー。演劇にも携わる。本名永田一脩(ながた かずなが)。
写真に関しては、1930年代に、写真評論などを『フォトタイムス』誌に執筆し、実作品も制作した。写真作品としては、フォトモンタージュを利用したシュルレアリスム的な作品が多い。瀧口修造が主催した「前衛写真協会」(1938年-?。1939年には、「写真造型研究会」に改称)の創立からの重要なメンバーの1人であった(他のメンバーは、阿部芳文、今井滋、田中雅夫など)。
戦後は、一転して、むしろ、山岳写真などを制作した。
主な作品
主な作品(写真)
- 題名不詳、1930年代
- 温泉に入っている男2人の写真で、一見、実物とともに、温泉のお湯に逆さまに映った2人の姿が撮影されているように見える。しかし、よく見ると、温泉のお湯に映っている姿が実物とは異なり(例えば、頭に載せた手ぬぐい)、フォトモンタージュであることが判明する。(下記文献「日本写真家事典」に掲載されている)
主要文献
- 「追悼永田一脩」/鳥海書房/1989年
- 「日本のシュールレアリスム」展カタログ/名古屋市美術館/1990年
- 「日本近代写真の成立と展開」展カタログ/東京都写真美術館/1995年
- 日本写真家事典(東京都写真美術館・執筆・監修、淡交社、2000年)232ページ
- 日本の写真家 近代写真史を彩った人と伝記・作品集目録(東京都写真美術館・監修、編集・発行・日外アソシエーツ、2005年)296-298ページ