梁漁
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梁漁(やなりょう)とは、川の中に足場を組み、木や竹ですのこ状の台を作った梁(やな)という構造物を設置し、上流から泳いできた魚がかかるのを待つ漁法である。アイヌ語ではウライと呼ばれる。
すのこは上流側に傾いて設置され、上流側では水中にあり、川下側では水上にある。川の水はすのこを通って流れるが、上流から泳いできた魚はすのこの上に打ち上げられる(強制陥穽)。観光やなでは、梁場に自由に出入りができ、打ち上げられた魚は自由に捕まえることができるが、真ん中にある生簀に入れ、持ち帰ることはできない。また、有料で捕まえた鮎を持ち帰ったり、料理してもらえる梁もある。秋に産卵のために川を下るアユなどには効果的な漁法である。
滋賀県高島市安曇川町に残る伝統的な梁漁は有名であり、漁具の梁も文化的重要性から未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選に選ばれている。この梁漁は平安時代後半の寛治年間以降から千年余りの歴史があり、京都上賀茂神社の社務の補助を担当した26戸の神人が梁を使用した漁によりアメノウオ(ビワマス)やアユ、コイなどを奉納していたという記録がある。現在も古式通りに上賀茂神社で執り行われ、葵祭りのときには「干しアユ」、安曇川献進祭ではアメノウオが奉納されている。