大安寺 (福井市)
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テンプレート:日本の寺院 大安寺(だいあんじ)は、福井県福井市にある臨済宗妙心寺派の寺院である。山号は萬松山(ばんしょうざん)。
福井藩第4代藩主松平光通が大愚宗築を開山として、越前松平家の永代菩提所として万治元年(1658年)[1]に創建した。境内地は天正2年(1574年)に焼失した竜王山 田谷寺の跡地である。
北陸観音霊場第10番礼所。
略史
竜王山 田谷寺
大安寺は、もとこの地にあった竜王山田谷寺の跡地に建立された。田谷寺は、伝承によれば、奈良時代に「越の大徳」と言われ、山岳修行僧だった泰澄によって創建されたという。往時は坊舎が48坊もあり、門前に市までなしていたが、天正2年(1574年)に織田信長の越前侵攻に伴い、全山が焼失した。
大安寺
80数年の空白の後、万治2年(1658年)に松平光通によって大安寺が創建される。ほぼ全ての建造物が第二次世界大戦や福井地震の影響を受けることなく創建当時のまま残存し、5棟が2008年に国の重要文化財に指定された。
文化財
重要文化財
- 本堂 - 入母屋造、瓦葺き。六間取りの方丈形式の本堂である。万治2年(1659年)建立。
- 庫裏 - 本堂右手に建ち、正面入母屋造、背面寄棟造、瓦葺き。左手前に廊下と客寮が付属する。万治元年(1658年)の建立。
- 開山堂 - 宝形造、瓦葺き。開山大愚宗築を祀る。寛文10年(1670年)建立。
- 開基堂 - 霊屋(たまや)ともいう。宝形造、瓦葺き。開基松平光通を祀る。延宝5年(1677年)建立。
- 鐘楼 - 寛文3年(1663年)建立。
上記のほか、山門、塀中門、宝蔵の3棟と、伽藍背後の山中にある廟所が重要文化財の附(つけたり)指定となっている。
その他の文化財
アクセス
脚注
- ↑ 寺の公式サイトには万治2年(1659年)創建とあるが、現存する庫裏は諸資料に万治元年の建立とされている。