ロバート・アクセルロッド
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ロバート・アクセルロッド(Robert M. Axelrod, 1943年5月27日 - )は、アメリカ合衆国の政治学者。ミシガン大学の政治学・公共政策教授。
シカゴ大学で数学を専攻後、1969年イェール大学で政治学の博士号取得。カリフォルニア大学バークレー校助教授(1968年-1974年)を経て、1989年から現職。2006年から2007年までアメリカ政治学会会長を務めた。2006年5月にはジョージタウン大学から名誉博士号を授与された。
1980年、繰り返し型の囚人のジレンマに関して、様々な分野の研究者からゲーム戦略を募集し、コンピュータープログラムとして総当たり対戦を行った実験が有名。意外にも最も単純な戦略である「しっぺ返し(tit for tat)」が優勝し、打倒「しっぺ返し」を期して行われた第2回実験でも、「しっぺ返し」戦略が優勝した。この実験の成果はゲーム理論・行動経済学・進化生物学・倫理学などで頻繁に引用されている。
著書
単著
- Conflict of Interest: A Theory of Divergent Goals with Applications to Politics, (Markham, 1970).
- The Evolution of Cooperation, (Basic Books, 1984).
- 松田裕之訳『つきあい方の科学――バクテリアから国際関係まで』(CBS出版, 1987年/ミネルヴァ書房, 1998年)
- The Complexity of Cooperation: Agent-based Models of Competition and Collaboration, (Princeton University Press, 1997).
共著
- Harnessing Complexity: Organizational Implications of a Scientific Frontier, with Michael D. Cohen, (Free Press, 1999).
- 寺野隆雄監訳『複雑系組織論――多様性・相互作用・淘汰のメカニズム』(ダイヤモンド社, 2003年)
編著
- Structure of Decision: the Cognitive Maps of Political Elites, (Princeton University Press, 1976).