ミレニアム囲い
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ミレニアム囲い(ミレニアムがこい)とは、将棋の振り飛車戦法に対する居飛車側の囲いの一つ。
歴史
2000年頃よりプロの間で意識的に指され始めたことによりミレニアムと呼ばれる。別名、鎌倉囲い、蒲鉾囲い、トーチカなどとも呼ばれる。現代のプロで最初にこの陣形を用いたのは米長邦雄であるといわれる(ただし意識して使用したわけではない)。また流行のきっかけを作ったのはネットで活動するアマチュアの愛棋家であったともいわれる。
プロ棋戦では三浦弘行が用い始め、藤井システムが猛威を振るっていた当時、居飛車穴熊と異なり角と桂馬によって玉を狙われにくいために、有力な戦法として定着することとなった。この戦法をプロ間で確立したことで三浦は新手・新戦法を表彰する将棋大賞の升田幸三賞を受賞した(2002年)。しかし手数がかかる割には穴熊ほど堅くなく、組み上げる手間を逆用して振り飛車側が穴熊に組む対応を見せられ、藤井システムに対する完全な対抗策には至らなかった。また居飛車穴熊側の対策や急戦による藤井システムへの対抗策が確立したこともあり、2006年以降はプロ間ではほぼ指されなくなった。(藤井システムも参照。)
特徴
左桂馬の位置に玉将を置き、金将や銀将3枚(又は4枚)で玉を囲う。堅さでは、穴熊囲いより多少劣り、串カツ囲いと同等であり、美濃囲いの類より遥かに堅い。また穴熊囲いとの決定的な違いとして、玉が相手の角筋からそれているということ[1]、左の桂を早く跳ねているため攻めに使いやすいと言ったことが挙げられる[1]。
端(9筋)の守りという観点で比較すると、串カツ囲いは銀と桂(香は玉の守りに参加できていない)、ミレニアム囲いは香と銀のそれぞれ2枚での守りとなっている。
また、玉を端に動かす串カツ囲いと異なり、玉を先手8筋(後手2筋)に置くため、端攻めにもある程度の耐久性をもつ反面、中央からの遠さという点では穴熊囲い・串カツ囲いには及ばない。
なお一段玉のかたちであるため、上部の攻めからには「遠い」「深い」のであるが、それをもってしても上部からの攻めには強いとは言いがたく、これも弱点の一つであるともされるテンプレート:Sfn。また、穴熊と比較すると、一路中央に近いこともあり、と金攻めに弱さを見せるテンプレート:Sfn。