ヒキガエル科

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テンプレート:生物分類表 ヒキガエル科(Bufonidae)はカエルの科の1つ。

ヒキガマガエルガマイボガエル蟇蛙蟾蜍などの異称をもち、漢名を蟾蜍(せんじょ)という。

分布

北アメリカ大陸南アメリカ大陸アフリカ大陸ユーラシア大陸日本インドネシア

日本のヒキガエル

日本には外来種1種を含む1属4種1亜種が分布する。

形態

四肢が比較的短く、肥大した体をのそのそと運ぶ。水掻きもあまり発達していない。

後頭部にある大きな耳腺から強力な毒液を出し、また、皮膚、特に背面にある多くのイボからも、牛乳のような白い有毒の粘液を分泌する。この毒によって外敵から身を守り、同時に、有害な細菌や寄生虫を防いでいる。不用意に素手でふれることは避けるべきで、ふれた場合は後でよく手洗いする必要がある。耳腺の毒液は勢いよく噴出することもあるので、これにも注意を要する。この毒液には心臓機能の亢進作用、即ち強心作用があるため、漢方では乾燥したものを蟾酥(せんそ)と呼んで生薬として用いる。主要な有効成分はブフォトキシンなどの数種類の強心ステロイドで、他に発痛作用のあるセロトニンのような神経伝達物質なども含む。

生態

動作は鈍く、多くのカエルのように跳ねることもない。寿命は最長で10年ほどで、古い庭先に居ついたものなどは、人の存在に慣れて、同じ個体が日常的に目にふれるようになる。寺社や人家の小さな池等でも繁殖しており、降雨の際など、自然の少ない街中の往来に突然現れて、人を驚かしたりすることもある。

主に夜間に活動し、舌を伸ばして昆虫類等の小動物を取る。跳躍能力の発達したアカガエル科やアマガエル科などのカエルと違い、全身で獲物に飛びつくことはあまりなく、舌だけを長く伸ばす傾向が強い。春の訪れとともに夜によく鳴くようになり、鳴き声はカエルというより鳥の鳴き声を思わせるものである[1]

孵化した幼生、すなわちオタマジャクシは、卵自体が比較的大きいので生まれた直後はむしろ目立つ大きさだが、アカガエル科やアマガエル科のカエルのように時間をかけて大きく育ってから変態するのではなく、かなり小さなうちに変態して幼体のカエルとなる。そのため飼育下でおたまじゃくしから変態させた幼体を飼育することは、かなりの技術を要する。飼育下での繁殖例もほとんど知られていない。

分類

50属におよそ590種が属する[2]

[4]

系統

次のような系統樹が得られている[5][2]

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文化

  • 漢籍においては、「蟾蜍(せんじょ)」は兎(ウサギ)とともに、の象徴。夫の羿を裏切って一人で神になろうとした嫦娥と言う女性の伝説が由来である。日烏と呼ばれる3本脚のカラス太陽を象徴したのに対して、月には陰気の動物であるヒキガエル(蟾蜍)またはウサギ(月兎)が棲むとされた。東アジアの美術にしばしば登場するモチーフである。「蟾蜍」の名はまた、文具の「水滴」の別称にも流用されている。
  • 貝原益軒の「大和本草」には、蝦蟇(ガマ)を毛瀰(モミ)と称して食べたという記述があるが、蟾蜍(ヒキガエル)と蝦蟇は別の項目として載っている。古い時代には、「蝦蟇」は別の種類のカエルを指していたと考えられる。
  • 俳諧においては、「蟇/蟾蜍(ひきがへる)」「蟾(ひき)」「蝦蟇(がま)」は、夏の季語
  • 「イボガエルにさわるとイボができる」というのは誤った俗説だが、有毒なのでさわらない方がいいという意味では正しい。
  • 皮膚の毒から薬(ガマの油)が作られた。かつてこれを売ったときの口上が「蝦蟇の油売り」で、大道芸となっている。これにちなんだ落語「蝦蟇の油」もある。ただし、大道芸人の商った「蝦蟇の油」は、先述の真の蟾酥ではなく皮膚薬馬油であることが多かったようである。
  • 江戸時代以来、読本歌舞伎、映画、児童小説などで繰り返し描かれてきた架空の忍者児雷也は巨大な蝦蟇に乗って登場する。蝦蟇といえば児雷也、と言えるようなシンボル的な存在でもあった。
  • 大槻文彦の「言海」には、蟇(ヒキ)は「気によって小虫を引き寄せて食べる蛙という伝承」の記述がある。

脚注

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関連項目

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  • オスヒキガエルの鳴き声
  • 2.0 2.1 テンプレート:Cite web
  • http://research.amnh.org/vz/herpetology/amphibia/index.php//Amphibia/Anura/Bufonidae/Parapelophryne
  • テンプレート:Cite journal
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