ディアン・ケヒト
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ディアン・ケヒト(Dian Cécht 、古アイルランド語でディーアン・キェーフト)は、ケルト神話に登場する生命と医療、技術の神。トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の一柱。娘にエーディン(Étan。エーディン(Étaín)と別人) 、息子にキアン、ミアハなどを持つ。キアンとエスリンの息子ルーは孫。ケィンチ、カンタ(Cainte, Canta)とも。
泉に呪術をかけて傷ついた戦士を元通りにするなど非常に優秀な医神であったが、ヌアザがモイツラ平原の戦いで片腕を失った際にそれを治すことができず、代わりに銀の義手を作った。ヌアザは戦いには勝ったものの、主神の座を降りざるを得なかった。なぜならば体に欠陥のあるものが高い地位につくことは許されなかったためである。
ディアン・ケヒトにはミアハという息子がいたが、このミアハはたぐいまれなる才能を持ち、ディアン・ケヒト以上の技術を持っていた。果てにはヌアザの腕をも元通りに治してしまったのである。ヌアザは主神の座に返り咲くことができたが、ディアン・ケヒトはこの才能に嫉妬し、ミアハをずたずたに斬り殺してしまった。さらに兄ミアハを生き返らせようとした娘アミッドの薬草の乗ったマントをひっくり返し、ミアハを蘇生する薬を作れなくした。テンプレート:Myth-stub