ゼッケン

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テンプレート:Otheruseslist ゼッケンとはスポーツを行う際に個体の識別を目的として装着する表示の日本での呼称である。これは、国際的な競技においては英語由来のビブビブス(bib, bibs。涎掛けの意)と呼ばれるもので2006年現在、日本においても国際的な競技においてはそれに倣うようになりつつある。

語源

「ゼッケン」という語は、一説にはドイツ語で「覆う」という意味の"Decken"(デッケン)に由来するとされている(なお馬術競馬において、馬の鞍の下に敷く番号が書かれた毛布のことを"Decken"と言う。日本ではこれがスポーツなどで競技者の衣服の前後につける番号を記したアイテムを指す用語として普及したとのことである)。また他の説では同じくドイツ語の「目印」を意味する"Zeichen"(ツァイヒェン)の綴りをローマ字読みしたもの、たとえば「ゼイチェン」という読みから転訛したのだともいわれている。発音の上では前者のほうがそれらしいが、意味の点では後者のほうに分がありそうである。両説とも一長一短といったところで、決め手に欠けている。上記以外にも、ドイツ語の"Säckchen"や"Sequens"、イタリア語の"zechin(zecchino)"、ノルウェー語あるいは和製外国語という説もある[1]

種類

大量生産で数字などを印刷した白い布をユニフォームに縫い合わせるもの。ラグビー高校野球などで使われることが多い。1回ごとに番号が異なる陸上競技では、安全ピンを用いることもある。

着色生地

色をつけた布地を望む型に切り取り、ユニフォームに縫い付けたり接着剤で貼り付けたりしたもの。柔軟性に欠けるが、プロアマチュアの野球用ユニフォームでは好んで採用される。多くはチームのロゴと意匠とを共通させたデザインを用い、縁取りのため色の異なる生地を重ね合わせたゼッケンも多く見られる。

転写フィルム

合成樹脂製のフィルムを望む型に切り、貼り付けたもの。安価にて一点ものを作ることもできるため背番号と選手の名前を一括してデザインする際に採用される。また、汗の蒸発を阻害しないように網目や線入り加工を施すことも容易である。サッカーバスケットボール用ユニフォームでは一般的。ただしバレーボール用ユニフォームでは、レシーブ時などにフィルムが床に引っかかる(オイルステインの集成板にワックス処理であり貼り付いてしまう)のを嫌い生地ゼッケンが使われている。

ビブス型ゼッケン

あらかじめ数字などが印刷されたビブス状または布に肩紐などがついたものを、ユニフォームの上に着用するタイプのゼッケン。薄手でメッシュ状のものもある。

  • 駅伝など - ゼッケンの表示が厳密に定められつつ直前に出場者の交替がありえる競技で用いられる。
  • 一般に開放された市民マラソンなど - 簡易に参加者を識別するために用いられる場合も多い。
  • バスケットボールやサッカーの練習 - チーム内での紅白戦を行うときにも、練習着や体操着の上から着用するかたちでよく用いられる。

また、水球の帽子、サイクルロードレース競輪で用いられるヘルメットカバーなどもこの類に当てることができる。

なお、競馬やドッグレースなど動物が行う競技、また競技場においてフィールド内での撮影許可を受けた報道フォトグラファーの識別にも使用される。

学校での体操着

学校(主に小中学校・高等学校)の体操着ジャージの前部と後部両方に名札として縫い付けることも多いが、現在は生徒の安全のため、正面のみ、あるいは小型化した名札にして、背面はゼッケン等をつけない(あるいは、学校名をあしらったバックプリント等に置き換える)学校も増えている。

学校や地域によって様々なパターンが存在するが多くの場合、白色の布地に児童・生徒の学級、出席番号、名前(プライバシー保護のためにのみが多い、一部ではも)を記入する。大きさは様々だが、縦15cm×横22cmのものが一般的である。しかし、地域によって、あるいは学校の指定によっては、縦長のゼッケンや、横長のゼッケンなど、変わった形のゼッケンも見受けられる。また、学校販売や学校で配布される指定品は、枠線、校章、学校名などがプリントされているものもある。

ゼッケンは地域や学校によってさまざまな書式があり、無地の白布にすべてを手書きする場合は上段に「3の4」や「3-4」、「3-4-1」などのように「の」や「-(ハイフン)」を使用して学年・組、あるいは組・番号(3つとも書く場合、組と番号の間にハイフンではなく空白をあける場合もある)を書き、下段に氏名を書く(画像1参照)学校が多い。

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画像1 無地の布に上段に学年-組、下段に氏名を書いたゼッケンの例

またハイフンや「の」でなく「1年1組」あるいは「1組1番」、あるいは「1年1組1番」と記入されていることもある。 学校販売や学校で配布される指定品は校章や学校名、、年-組、枠線(上段の学年・組・番号、下段の氏名を分割するため)があらかじめ印刷されている場合もあり、そのほか、数字ではなく学年識別のために学校で定められているそれぞれの学年色があらかじめプリントされている文字色・枠線色、ゼッケン布の色となっているものも見受けられる。(画像2参照)

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画像2 学年-クラスと氏名 枠線と学年-クラス番号は学年色

また、学校名や校章もなく、学年や組、番号等を書かず、あるいはプリントされずに、外枠だけ印刷された布、あるいは無地の白布に氏名だけを書く場合や、外枠が印刷され、名前欄だけがあるが、名前欄の左端にクラス番号が印刷されている例(画像3参照)もある。氏名のみを書くゼッケンは一般的な形よりも、横長な形のゼッケンに多い。

ファイル:Zekken crass name.jpg
画像3 横長ゼッケン クラス番号と氏名 枠線とクラス番号は学年色

縦長の場合は、上段に大きくクラス番号、下段に氏名という組み合わせが多く、クラス番号のほうが文字の大きさが大きい(画像4参照)。外枠や仕切りの枠線はあるものとないもののどちらもある。

ファイル:Verticalzekken crass name.jpg
画像4 縦長のゼッケン クラス番号と氏名 クラス番号と名前欄の枠線は学年色

中学や高校などでは、その年の学籍番号(年・組・番号を4桁、ないしは5桁であらわした番号)を書くゼッケンもあり、その場合は上段に「1101」などの学籍番号、下段に氏名を書く(画像5参照)。高校の場合、番号の手前に在籍科目(普通科など)を記入することもある(画像6参照)

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画像5 4桁の学籍番号と氏名 枠線は学年色
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画像6 カッコ書きで在籍科目+4桁学籍番号と氏名 枠線は学年色

ほかにも、中学校のゼッケンで、サイズは一般的な比率の物ではあるが、学年色の外枠のなかは、名前欄だけしかなく、名前欄に数センチ幅の学年色アンダーラインがあり、そこに左・中央・右の3か所に、左から1年・2年・3年の3学年のクラス番号を記入するゼッケンもある(画像7参照)。しかし、学校によっては学年色のアンダーラインにクラス番号を記入しない学校も多い。

ファイル:Zekken name 3yearscrass.jpg
画像7 氏名とアンダーライン上に3か年のクラス番号 枠線と名前欄アンダーラインは学年色

また、学年とクラス番号の間にあるハイフンの横棒の長さが長く、横棒の上に校章が配置されている珍しいゼッケン(画像8参照)も存在する。

ファイル:Zekken grade-symbol-crass name.jpg
画像8 学年-クラスと氏名 ハイフンに校章割り込み


かつて体操着のゼッケンは学校側が児童生徒を管理するための手段という意識が強く、胸や背中の中央に氏名等を大きく太く書いたゼッケンをつけるよう指導されていた。しかし、近年の社会情勢の変化(1.子供を狙った犯罪、2.個人情報保護といった人権意識、3.進級やリサイクル譲渡等に伴う交換作業の負担感、4.男女同室着替えの問題(→ジェンダーフリーを参照))への批判や体操着の盗難・紛失などから校内で着替えをさせず体操着を着たまま登下校する児童生徒がいるなど)によりゼッケンそのものをつけさせない学校、または大きめのゼッケンを書式を同じにして小型の名札にして左胸(または右胸)に付けるよう指導する学校、胸のゼッケンだけを残し、背中のゼッケンを廃止する学校も見られるようになった。また、このようなゼッケンや名札を、学校に到着して授業中の間は体操着に装着し、下校時には外せるように、スナップで着脱できるようにしている学校もある。 また、同じデザインの体操着やジャージでも、時代の変化によって、ゼッケンから名札へとマイナーチェンジされている体操着やジャージについては、マイナーチェンジ前の体操着やジャージを兄姉から弟妹へお下がりするときなどにおいて、学校の指示でゼッケンを外し、代わりに小さい名札へ付け替えるよう指導されたり、背中のゼッケンを外すよう指導されることも多い。また、ジャージのモデルチェンジ等の際、背中のゼッケンを廃止する際、背中のゼッケンがなくなる代わりに背中に学校名をあしらったバックプリントが入ることも多い。

体操着の胸元や袖などに小さく名前が刺繍されるようになった学校もある。しかしコストがかかる上に経済事情の変化に伴いバザー等での体操服のリサイクルが進んでいる地域もあり、付け替えが容易な小型の名札タイプのゼッケンが採用されている学校が多いことに変わりはない。

各競技におけるゼッケン

  • 陸上競技 - 日本陸連の公認サイズは縦20cm×横24cmである。また、公式の名称は「ナンバーカード」である。

脚注

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関連項目

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  1. ゼッケンの語源について:レルヒ来日前後を中心として 日本体育学会大会号(34) pp.100 19830818