2046 (映画)
テンプレート:Infobox 中華圏の映画 『2046』(ニーゼロヨンロク)は2004年の香港映画。
概要
『欲望の翼』、『花様年華』に次ぐウォン・カーウァイの1960年代シリーズの3作目。また、この作品は『花様年華』の続編であり、一部『欲望の翼』の続編でもある。『花様年華』とほぼ同時期に撮影が開始されたが、予定通りに進まないカーウァイ監督のスタイルにキャストのスケジュール調整が難航、それにSARSによる渡航制限やレスリー・チャンの自殺などを受けて、完成までに5年の歳月が費やされた。脚本が流動的で知られるカーウァイは、レスリーへのオマージュと『欲望の翼』のエピソードを予定以上に散りばめることに決定した。
劇中の現実世界の主人公をトニー・レオン、劇中劇の主人公を木村拓哉が演じている。この物語の主軸となる2人の男性と1人の女性フェイ・ウォンの周囲をとりまくのが、トニーとの恋に溺れる娼婦チャン・ツィイー、トニーと愛を交わしながらも別れを選ぶ賭博師コン・リー、死んだ婚約者との思い出に生きる踊り子カリーナ・ラウなどである。役名や設定はかなりの割合で『欲望の翼』『花様年華』からそのまま流用されている。
第24回香港電影金像奨最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・最優秀主演女優賞(チャン・ツィイー)受賞。ニューヨーク映画批評家協会賞・最優秀外国語映画賞受賞。2004年度ヨーロッパ映画祭インターナショナル(非ヨーロッパ)映画賞受賞。2004年度カンヌ国際映画祭・コンペティション部門出品作品。文春きいちご賞2004年度第8位。日本国内配給収入約7億8千万円。
ストーリー
1960年代、作家のチャウ・モウワン(トニー・レオン)は香港のホテルに滞在している。ホテルのオーナーの娘ワン・ジンウェン(フェイ・ウォン)は日本から来たビジネスマンのタク(木村拓哉)と恋に落ちるが、父親であるオーナーに交際を反対される。やがて帰国するタク。文通もままならない2人に、チャウはタクの手紙を代わりに受け取ろうと申し出る。言葉も通じず遠く国を隔てられた恋人同士にインスパイアされて、チャウは小説『2046』を書き始める。作中に登場する人物たちは永遠の愛を求め「何も変わらない」と云われる“2046”を目指して列車に乗る。この小説の主人公がタクである。
キャスト
()のリンクは日本語吹き替え版。
- チャウ・モウワン:トニー・レオン(小杉十郎太)
- バイ・リン:チャン・ツィイー(魏涼子)
- ワン・ジンウェン/WJW1967:フェイ・ウォン(本田貴子)
- タク:木村拓哉
- スー・リーチェン:コン・リー(五十嵐麗)
- ルル/ミミ:カリーナ・ラウ(塩田朋子)
- cc1966:チャン・チェン
- バード:トンチャイ・マッキンタイア(“バード”)
- ワン・ジェウェン:ドン・ジェ
- ミスター・ワン/車掌:ワン・シェン
- ピン:スー・ピンラン
- slz1960:マギー・チャン(特別出演)
スタッフ
- 製作・監督・脚本:ウォン・カーウァイ
- 美術・編集:ウィリアム・チョン
- 撮影:クリストファー・ドイル、クワン・プンリョン、ライ・イウファイ
- 音楽:ペール・ラーベン、梅林茂