竹本健治
テンプレート:BLP unsourced 竹本 健治(たけもと けんじ、1954年9月17日 - )は日本の推理作家。兵庫県相生市生まれ[1]。東洋大学中退[1]。代表作『ウロボロスの偽書』『ウロボロスの基礎論』『ウロボロスの純正音律』は、著者自身、綾辻行人、小野不由美、島田荘司などの実在の人物が架空の推理小説の中に登場するポストモダン的なメタ小説。
目次
経歴
- 1973年 - 私立淳心学院高等学校卒業。
- 1977年 - デビュー作『匣の中の失楽』を探偵小説専門誌『幻影城』に連載。
- 1977年 - 東洋大学文学部哲学科中退。
- 1979年 - 『匣の中の失楽』で第32回日本推理作家協会賞(長編部門)候補作に選ばれる[2]。
作品
『虚無への供物』の中井英夫に推薦を受け、探偵小説専門誌『幻影城』にいきなり長編連載という破格のデビューを飾り、そのデビュー作『匣の中の失楽』によっていわゆるメタミステリー・アンチミステリー作家として注目される。『幻影城』廃刊後、いわゆる「ゲーム三部作」を発表。一時期ミステリーを離れSF小説に活動の場を移す。新本格ブームを受けて、実名小説(本人曰く擬似推理小説・ミステロイド)『ウロボロスの偽書』を『奇想天外』に発表。現在に至るまでマイペースなスタンスを崩さず執筆を続けている。
シリーズ探偵はIQ200の天才囲碁少年・牧場智久。先述の「ゲーム三部作」をはじめ、(著者の流儀では)比較的正攻法に近いミステリに一貫して主役として登場している。基本的にミステリは長編、SFや幻想小説の非ミステリは短篇を旨とする。
囲碁を趣味としている。大学時代から囲碁部に参加。2009年には「第4回文人碁会」で優勝し、第4回朝日アマ囲碁名人戦全国大会に特別出場。また漫画書きの心得もあり、牧場を主人公とした漫画『入神』では友人の漫画家、小説家がアシスタントとして参加して話題を呼ぶ。
2010年7月に発売されたPlayStation Portable(PSP)用の本格推理ゲーム『トリックロジック』では「明かりの消えた部屋で」「ブラッディー・マリーの謎」という2本のシナリオを書いている。
作品リスト
小説
ゲーム三部作
- 囲碁殺人事件(1980年7月 CBSソニー出版 / 1985年9月 河出文庫 / 1994年3月 角川文庫 / 2004年2月 創元推理文庫)
- 将棋殺人事件(1981年2月 CBSソニー出版/ 1994年2月 角川文庫 / 2004年5月 創元推理文庫)
- トランプ殺人事件(1981年8月 CBSソニー出版 / 1986年1月 新潮文庫 / 1994年4月 角川文庫 / 2004年9月 創元推理文庫)
- 定本 ゲーム殺人事件(1992年10月 ピンポイント)
- 上記3作品と書き下ろし短編「チェス殺人事件」を収録。
パーミリオンのネコ
- 殺戮のための超・絶・技・巧(1988年2月 トクマ・ノベルズ・ミオ / 1992年4月 徳間文庫 / 1999年11月 ハルキ文庫)
- タンブーラの人形つかい(1988年9月 トクマ・ノベルズ・ミオ / 2000年1月 ハルキ文庫)
- 兇殺のミッシング・リンク(1989年7月 トクマ・ノベルズ・ミオ / 2000年2月 ハルキ文庫)
- "魔の四面体(テトラヘドロン)"の悪霊(1990年1月 トクマ・ノベルズ・ミオ / 2000年3月 ハルキ文庫)
ウロボロスシリーズ
- ウロボロスの偽書(1991年8月 講談社 / 1993年8月 講談社ノベルス / 2002年6月 講談社文庫【上・下】)
- ウロボロスの基礎論(1995年10月 講談社 / 1997年9月 講談社ノベルス)
- ウロボロスの純正音律(2006年9月 講談社 / 2010年5月 講談社ノベルス)
その他
- 匣の中の失楽(1978年7月 幻影城 / 1983年12月 講談社文庫 / 1991年10月 講談社ノベルス / 2002年10月 双葉文庫)
- 狂い壁 狂い窓(1983年4月 講談社ノベルス / 1993年5月 角川文庫 / 2007年8月 講談社ノベルス【復刊】)
- 腐蝕の惑星(1986年10月 新潮文庫)
- 【改題】腐食(1994年10月 角川ホラー文庫)
- クー(1987年3月 講談社ノベルス / 2000年9月 ハルキ文庫)
- カケスはカケスの森(1990年7月 徳間書店 / 1993年12月 徳間文庫)
- 殺人ライブへようこそ(1991年6月 徳間書店 / 1996年4月 徳間文庫)
- 凶区の爪(1992年1月 カッパ・ノベルス / 1995年2月 光文社文庫)
- 妖霧の舌(1992年11月 カッパ・ノベルス / 1996年2月 光文社文庫)
- 眠れる森の惨劇(1993年8月 カッパ・ノベルス)
- 【改題】緑衣の牙(1998年3月 光文社文庫)
- 閉じ箱(1993年10月 角川書店 / 1996年1月 カドカワノベルズ / 1997年11月 角川ホラー文庫)
- 闇に用いる力学 赤気篇(1997年6月 光文社)
- 風刃迷宮(1998年12月 カッパ・ノベルス / 2002年3月 光文社文庫)
- 鏡面のクー(2000年10月 ハルキ文庫)
- フォア・フォーズの素数(2002年8月 角川書店 / 2005年10月 角川文庫)
- クレシェンド(2003年2月 角川書店)
- 闇のなかの赤い馬(2004年1月 講談社ミステリーランド)
- 虹の獄、桜の獄(2005年10月 河出書房新社) - 画:建石修志
- 狂い咲く薔薇を君に(2006年4月 カッパ・ノベルス / 2009年8月 光文社文庫)
- キララ、探偵す。(2007年1月 文藝春秋 / 2010年1月 文春文庫)
- キララ、またも探偵す。(2008年5月 文藝春秋)
- せつないいきもの(2008年7月 カッパ・ノベルス)
- ツグミはツグミの森(2009年10月 講談社 / 2013年5月 講談社ノベルス)
- かくも水深き不在(2012年7月 新潮社)
- 汎虚学研究会(2012年9月 講談社ノベルス)
アンソロジー
「」内が竹本健治の作品
- 奇想の復活 ミステリーの愉しみ5(1992年8月 立風書房)「メニエル氏病」
- 甦る「幻影城」III 探偵小説誌 不朽の名作 (1998年3月 角川書店)「陥穽」
- 【改題】幻影城 探偵小説誌 不朽の名作(2000年6月 角川文庫)
- GOD 異形コレクション12(1999年8月 廣済堂文庫)「白の果ての扉」
- エロティシズム12幻想(2000年1月 エニックス / 2002年3月 講談社文庫)「非時の香の木の実」
- 十月のカーニヴァル 異形コレクション綺賓館1(2000年10月 光文社カッパ・ノベルス)「ボクの死んだ宇宙」
- 玩具館 異形コレクション20(2001年9月 光文社文庫)「フォア・フォーズの素数」
- 教室 異形コレクション27(2003年9月 光文社文庫)「開かずのドア」
- 凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ(2004年9月 河出書房新社)「彼ら」
- 本格ミステリ05(2005年6月 講談社ノベルス)「騒がしい密室」
- 【改題】大きな棺の小さな鍵(2009年1月 講談社文庫)
- 進化論 異形コレクション36(2006年8月 光文社文庫)「個体発生は系統発生を繰り返す」
- 学び舎は血を招く メフィスト学園1(2008年11月 講談社ノベルス)「世界征服同好会」
- 幻想探偵 異形コレクション42(2009年2月 光文社文庫)「羊の王」
- 9の扉(2009年7月 マガジンハウス / 2013年11月 角川文庫)「依存のお茶会」
- QED 鏡家の薬屋探偵 メフィスト賞トリビュート(2010年8月 講談社ノベルス)「漂流カーペット」
- NOVA4 書き下ろし日本SFコレクション(2011年5月 河出文庫)「瑠璃と紅玉の女王」
漫画
- 入神(1999年9月 南雲堂)
ゲーム
- 月花霧幻譚〜TORICO〜(1996年)
- トリックロジック シーズン1 『明かりの消えた部屋で』(2010年)
- トリックロジック シーズン2 『ブラッディ・マリーの謎』(2010年)
脚注
外部リンク
- 竹本健治HP - 公式サイト
- テンプレート:Twitter