水系
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水系(すいけい、英語:drainage system)は、河川に関連する用語である。ある河川とそれに合流する他の河川や内水面(湖沼や池)、さらには分岐する河川を含めた、流路を部分的に共有する河川や湖沼全体を体系化した概念と、その概念に基づく分類をいう。
水系は分水界により区分される。ある水系に降水が流入する範囲を流域という。水系と流域は、よく似た概念だが、流域が面的な広がりを表すのに対し、水系は水の線的なつながりを表している。また、他に類似の言葉として流路形状がある。流路形状は、河川の流路の部分的な地形そのものを表す。つまり川筋の形のことである。一般的には、地表水のつながりのみを水系と考えられがちであるが、ある河川から別の河川へ地下を通じて水が移動(水文循環)することはよく見られることから、水系概念に地下水のつながりも含めるべきとされている。
分類
水系は、その形状などから次のように地理学的に分類される。
- 枝状水系
- 世界中で一般的に見られる形態。本流と支流が樹枝のような形状のもの。
- 平行水系
- 急斜面に見られる形態。急斜面上で水流が直線状となり、隣接する水系と平行関係をとるもの。山脈地帯に多く見られる。
- 格子状水系
- 地質的に強い構造上の力を受けている地域に見られる形態。
- 放射状水系
- 上空から見ると車輪のスポーク状となるもの。円錐形の火山などで見られる。
- 方形状水系
- 断層地帯で形成される水系形状。
- 環状水系
- 盆地の中央部で形成される環状の水系形状。
- 乱状水系
- 最終氷期に形成されたカナダの湖沼地帯のように、明確な分水界もなく、湖沼が乱雑に存在するような水系形状。
日本における水系の管理
日本では、河川法において重要性が高い水系を区分及び指定している。導水や用水、疏水などの人工河川による新たに追加された流れや、排水機場による流水方向の変化などの物理的な川上・川下とは関係が無い流れもある。この場合、水系の範囲は分水界を越えている。
- 一級水系:日本国内最重要で、一級河川を本流とする国が管理する水系である。各一級水系の一部は、都道府県や政令市に管理が移譲されている。
- 二級水系:上記以外の水系のうち重要性が高く、二級河川を本流とする都道府県が管理する水系である。
- 単独水系:上記2つ以外の水系。準用河川や普通河川が本流である。