ヒクイナ
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ヒクイナ(緋水鶏、緋秧鶏[1][2]、学名:Porzana fusca)は、ツル目 クイナ科 ヒメクイナ属に分類される鳥類。
古くは単に「水鶏」(くひな)と呼ばれ[3]、その独特の鳴き声は古くから「水鶏たたく」と言いならわされてきた(下記参照)。くいなとして、三夏の季語。
分布
- P. f. erythrothorax ヒクイナ
- 中華人民共和国東部、台湾、日本などで繁殖し、冬季になるとインドシナ半島、中華人民共和国南部、日本(本州中部以南)へ南下し越冬する[4][5][6][7][8]。
- P. f. fusca
- インドネシア、パキスタン北部からマレーシア、フィリピン[7]。
- P. f. phaeopyga リュウキュウヒクイナ
- 日本(琉球諸島)[5][7][8]
- P. f. zeylonica
- インド西部、スリランカ[7]。
形態
全長19-23センチメートル[5][7]。翼開張37センチメートル[5]。体重0.1キログラム[6]。上面の羽衣は褐色や暗緑褐色[4][5][7][8]。喉の羽衣は白や汚白色[4][5][7][8]。胸部や体側面の羽衣は赤褐色[7]。腹部の羽衣は汚白色で、淡褐色の縞模様が入る[4]。
虹彩は濃赤色[7]。嘴の色彩は緑褐色で、下嘴先端が黄色[7]。後肢は赤橙色や赤褐色[7]。
卵の殻は黄褐色で、赤褐色や青灰色の斑点が入る[4]。
分類
- Porzana fusca erythrothorax ヒクイナ
- Porzana fusca fusca (Linnaeus, 1766)
- Porzana fusca phaeopyga Stejneger, 1887 リュウキュウヒクイナ Ryukyu ruddy crake
- Porzana fusca zeylonica
生態
湿原、河川、水田などに生息する[7]。和名は鳴き声(「クヒ」と「な」く)に由来し、古くは本種とクイナが区別されていなかった[2]。
食性は動物食傾向の強い雑食で、昆虫、軟体動物、カエル、種子などを食べる[4][6][7]。
繁殖形態は卵生。水辺の茂みや低木の樹上にヨシなどを組み合わせた皿状の巣を作り、日本では5-8月に4-9個の卵を産む[4][6][7]。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は20日[6][7]。
人間との関係
古典文学とヒクイナ
古くは単に「水鶏」(くひな)と呼ばれ[3]、連続して戸を叩くようにも聞こえる独特の鳴き声[10][11]は古くから「水鶏たたく」と言いならわされてきた。 古典文学にもたびたび登場している。 夏の季語[11]。
脚注
参考文献
- 『沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2005年、81頁。
関連項目
外部リンク
テンプレート:Bird-stub- ↑ 『広辞苑 第5版』 岩波書店、「ひくいな」
- ↑ 2.0 2.1 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、134-135頁。
- ↑ 3.0 3.1 『広辞苑 第5版』 岩波書店、「くいな」
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布』、大蔵省印刷局、1981年。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、165頁。
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社、1986年、185頁。
- ↑ 7.00 7.01 7.02 7.03 7.04 7.05 7.06 7.07 7.08 7.09 7.10 7.11 7.12 7.13 7.14 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、75-76、165頁。
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、199頁。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 『新選古語辞典 新版』 小学館、1982年、「くひな」
- ↑ 11.0 11.1 高浜虚子編 『季寄せ 改訂版』 三省堂、1964年、141ページ