ギャラクシアン3
テンプレート:Ambox-mini テンプレート:Infobox 『ギャラクシアン³』 (Galaxian³) は、ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)が開発した遊園地・テーマパーク向けアトラクション。バンダイナムコゲームスの定めるUGSFシリーズ作品の一つである。プレイヤーはUGSFの一員として重戦闘艇ドラグーンに乗り、人類を脅かす機械生命体など、さまざまな敵と戦う3DCGガンシューティングゲームである。 家庭用ゲーム機への移植版も作られた。
本来、稼動には専用の施設が必要とされ、設置場所の問題があるため家庭用への移植版以外はプレイの機会自体が非常に制限されていた。
ゲームに同時参加できるプレイヤー数が多い上、画面の覆う視角の広さにより高い臨場感がある。
目次
種類
28人版(GH-28) - PROJECT DRAGOON(プロジェクト・ドラグーン)
円筒形のスクリーンを内側から観る形でプレイヤーが同心円状に並んで着座、プレイヤーの背後上方から16台の3管式120インチプロジェクターによってスクリーン全周に継ぎ目のないゲーム画面が投影され、プレイヤーの乗ったフロア全体が映像の変化に合わせて油圧機構により揺動する。最大高低差は2m。
1990年に大阪府大阪市で開催された国際花と緑の博覧会にドルアーガの塔とともに出展された。この時は全ての映像をリアルタイムで生成していた。1992年にナムコ・ワンダーエッグ(東京都世田谷区)へ移設する際に、先に稼動しているGM-16同様、背景はあらかじめ作成された映像をレーザーディスクで流し、そこに敵機やビームなどインタラクティブ性のある部分を合成する方式に変更された。2000年末に同所が閉園したため解体・廃棄された。一部の部品などは保存されているが、散逸している。
2号機が1993年に神奈川県横浜市のナムコの大型ゲームセンター、プラボ鶴見店に設置されたが、改装のため1997年に解体・廃棄されており、こちらも現存しない。ちなみに2号機の各種パーツ等の一部は、チャリティーオークションに出品され、売上は福祉団体に寄付されたテンプレート:Cite web。
テーマパークのアトラクションという性質上、施設内外ではUGSF軍兵士に扮した係員の芝居が見られ、待ち時間にはゲーム概要の説明とUGSFのIDカードを模した搭乗整理券を手渡される。これはアトラクション入場時に回収される。
ゲーム開始前に行われる作戦説明(ブリーフィング)映像中に登場する『暗号解読コード』がシナリオ毎に異なっていてバージョン表示を兼ねており、花博版は「M8774B」、改良版が「M8774D」となる。
ちなみにキャノンシード内のスパークビットを制限時間内にすべて破壊できない場合、緊急脱出の後に作戦失敗のナレーションが入り地球が破壊される。
28人同時にプレイするため、どうしてもシートによって演出や攻撃目標に差がでてしまった。なかでも大事な場面で高得点の敵が正面に来る、26番前後のシート、次いで3番前後のシートが最も高成績を出しやすいと評判だった。稼動後期には毎回進行方向が変わりドラグーンの着座位置がランダム化され、シートの奪い合いという問題は解消された。
得点の表示はないが、成績がAからEの5段階で各プレイヤーのコンソールに表示される。特に優秀だった上位3名には座席前のスクリーンに金・銀・銅の勲章が表示されスタッフから拍手が贈られた。また金勲章(1位)を獲得したプレイヤーには帰り際に金勲章をプリントしたステッカーが授与された。
16人版(GM-16)
基本的な構造や演出は28人版とほとんど同じである。ただし、フロア全体が揺動するのではなく、プレイヤーの乗っている部分が2名分ずつの単位で動く簡易版で、座席の可動範囲も狭い。油圧機構を使用していないため、GH-28に比べれば設置のための制約は少ない。
1991年に大阪市中央区のプラボ千日前店に設置されたのを始めとして、日本国外も含め数ヶ所に設置された。以前1セットのみ静態保存されていたが、現在存在するかは不明である。
なお、プラボ千日前店以外では、国内では神奈川県相模原市のジャスコショッピングセンター古淵、兵庫県姫路市の姫路セントラルパーク、大阪府泉南市の泉南スカイシティに存在した。海外では台湾での稼動が確認されており、その他の地域にもあったという未確認情報もある。
ショッピングセンター古淵におけるロケーションにおいて、同店限定のUGSFピンズバッヂが作成され、作戦成功時に上位3名に対してピンズバッヂが先着300名に配られた。デザインはランキング1位プレイヤー画面に表示された金の勲章を模したカラーデザイン。数少ないUGSFグッズの中で唯一、入手機会に恵まれたオフィシャルグッズでもある。
シナリオのバージョンは「M8774C」。
6人版(シアター6:GT-6)
1993年3月に発売。価格はおよそ1200万円。初期ロットの3台が札幌、津田沼、京都に設置された。
ゲームセンターに設置できるよう5m四方のサイズに収められており、3管式120インチプロジェクター2台によって投影される壁面のスクリーンに向かって横一列に並んで座る。周囲はほぼパーティション(壁)で覆われており独立した部屋状になっている。座席は揺動しない。日本国内外に多数設置されたが、2010年2月に日本国内で営業運用としては最後の一台とされている筐体(愛知県西尾市のショッピングセンター『おしろタウンシャオ』内にあるゲームセンター『ムー大陸』内で稼動)が故障を理由に撤去されたため、国内での営業用ロケーション機としてはほぼ絶望的となっている。しかし、国内数カ所に個人が所有する保存機が原則非公開ではあるが存在しており、2013年4月1日現在、埼玉県熊谷市にて不定期に開催されているアーケードゲーム博物館計画の倉庫開放イベント等でプレイが可能である。また日本国外でも少ないながら熱狂的ファンがおり、やはり中古機体を買い取って個人・グループで所有して楽しんでいるユーザーが存在する。
大型タイプではこの6人版のみソフト交換が可能で、28人版・16人版と同じ背景設定を持つ「PROJECT DRAGOON」と、その数百年後の世界における巨大生物との戦闘を描いた別シナリオ「Attack of the ZOLGEAR(アタック・オブ・ザ・ゾルギア)」の2種類があるが、「PROJECT〜」はほぼ全て「Attack of〜」に換装されている。中には、東京都大田区蒲田にあったコスモのように店舗側で基板上のROMの切り替え装置を自作しレーザーディスクを交換するだけで容易にシナリオが変更できるような工作を施されたものや、店員私物のウーファーを設置し臨場感を強化させたプラボ市原、店舗の天井が低く設置のために天井をぶち抜いてしまい長期間に渡って営業し続けたPLID'Sサンペデック津田沼、メンテナンスキーを紛失してしまい設定ドアをガムテープで固定して営業していたタカラ島千葉店などがあった。 シナリオのバージョンは「PROJECT DRAGOON」が「M8774E」、「Attack of the ZOLGEAR」が「M9083D」。
プレイステーション版
6人版「PROJECT DRAGOON」をプレイステーション用に移植したもので、マルチタップを使用することで4人まで同時にプレイできる。また、オリジナルシナリオ「THE RISING OF GOURB(ライジング・オブ・ガーブ…ガーブの目覚め)」が同時に収録されている。
シナリオのバージョンは「PROJECT DRAGOON」が「M8774E」、「THE RISING OF GOURB」が「M8805F」。
シアター6トピック
28人版との違い
- 画面上方には各プレイヤーの得点と、全プレイヤー共通の防御シールド(ライフ)ゲージが表示される。シールドは被弾すると減少し、0になってから被弾すると作戦途中でもゲームオーバーになる。アイテム等で回復することはない。
- ゲームの進行には直接関わりはないが、GT6版ではドラグーンの他にドラグーンの護衛戦闘機隊「ホークチーム」が同行し、ホークリーダーおよびホーク1~3までの合計4機のジオソードクラスの攻撃力を持つ強力な戦闘艇が援護に着きキャノンシード突入寸前まで同行、効果音のバックに彼らの寸劇のような無線交信が交わされている[1]。
- 敵弾にはプレイヤーのビームで破壊可能なものと破壊不可能なものがある。敵機の出現位置・攻撃はほぼパターン化されているため、ビームで相殺できない攻撃を行う敵の出現場所を記憶して、被弾する前に破壊することが求められる。
- キャノンシード突入後メインルートのゲートが閉まり、ダクトから中に侵入。そのため28人版・16人版ではドラグーンの周りを回転するスパークビットを倒すが、6人版ではコアを中心に回転するスパークビットを回転の外から狙う。
- 作戦成功時にキャノンシードから脱出する映像と、失敗時にキャノンシードからレーザーが発射され地球が破壊される映像が追加されている。
初期のロケーション店舗
発売直後、北海道札幌市のプラボ帝国座、千葉県習志野市のプリッズサンペデックなどナムコ直営店3箇所に設置され当時のゲームセンター業界に一石を投じた。その後設置店舗が増えナムコから営業用販促ツールが販売され、全国各地で同機を使った積極的なゲーム大会が行われた。
中でも最初に設置されたプリッズサンペデックでは、店舗の天井が筐体高さより低かったため、天井をブチ抜いて強引に設置し、「閉店するまで撤去できない可能性がある」とまでといわれた。 また、全国で唯一同作品の開発資料展が開催され貴重な造型モデルや、ラフスケッチ、デザイン資料などが多数展示された。その後、同店が改装するにあたり一時閉店となり、その際に撤去された。
改造筐体
東京蒲田のコスモでは、シナリオ切り替えを迅速に行うための切り替え装置が付けられ、スイッチを切り替えてLDを交換するだけでシナリオ変更が可能になっていた。
千葉県市原市のプラボ市原では、店員私物のウーファーを期間限定で設置し、低音が身体に響く特別仕様で営業された。
千葉県千葉市のタカラ島では、設置の際に同社社員がメンテナンスボックスの鍵を紛失したため、メンテナンスボックスにガムテープを貼り付けて営業していた。
今後も稼動を維持するにあたっての問題点
- プロジェクターの寿命
- 稼動開始から年月が経っており、補修部品が入手困難になっている。
- 近年普及している液晶式プロジェクターでは、液晶特有の遅延がゲームに重大な影響を及ぼすために使用できないとされる。
- 背景上映用レーザーディスク(ソフト、プレイヤー)
- すでに製造元のナムコにも原盤はなく、新たに入手することはできないとされる。
- 上映用のレーザーディスクプレイヤーはパイオニア製の業務用だが、すでに製造打ち切りとなっており、補修パーツの保持期限を過ぎているため、修理対応ができるかが危ういとされる。
オフィシャルグッズ
CD
- FINALLAP 2 -G.S.M.NAMCO 3-
- Namco Game Sound Express VOL.6 STARBLADE / GALAXIAN³ PROJECT DRAGOON
- Namco Game Sound Express VOL.12 GALAXIAN³ PROJECT DRAGOON THEATER6
- ビクターエンタテインメント社 VICL-15026、1994年5月21日発売、1500円(税込)、23分12秒
- Namco Game Sound Express VOL.16 GALAXIAN³ ATTACK OF THE ZOLGEAR
- ビクターエンタテインメント社 VICL-15035、1994年10月21日発売、1500円(税込)、23分13秒
LD
- THEATER6 GALAXIAN³ PROJECT DRAGOON / ATTACK OF THE ZOLGEAR
VHS
- THEATER6 GALAXIAN³ PROJECT DRAGOON / ATTACK OF THE ZOLGEAR
- ビクターエンタテインメント社、1995年3月24日発売、5913円(税込)、51分
大会、プライズ景品、ユニフォームなど等
- シアター6が発売された直後、販促ツールとして紺色にナイロン地のギャラクシアン3ロゴ入りスタッフジャンパーが用意され、ゲーム大会などの景品として供された。
腕に自信のあったプレイヤーや、熱心な攻略を研究していた同人サークルなどが入手し、コミックマーケットなどの同人誌即売会で着用している者もいた。 - ショッピングセンター古淵で作戦成功時に配布されたエンブレムピンズバッヂ以外に、プライズ用景品として販売されたナムコゲームシリーズにおいて、ドラグーンのミニフィギュアが存在している。
ナムコ直営店、ナムコ・ナンジャタウン内におけるプライズ景品として使用されたため、ナムコ直営店以外では出回らなかった。 - ナムコワンダーエッグにおける後期営業において、作戦成功時の参加者にエンブレムシールが配布された。
- 1990年開催の花と緑の博覧会で初営業時に、係員が統一したユニフォームを着用するとして「PROJECT DRAGOON」のワッペン付き長袖緑シャツと背中に大きなロゴの入った袖の取り外し可能な赤ジャンパーが制作された。
- その他、アタックオブザゾルギア発売時には、体験キャンペーン用として販促ツールが用意され、スクラッチを削って当選すると無料で1回体験できた。
関連作品
- スターブレード - 背景設定を踏襲して1人用にアレンジされたもの
- New Space Order - ゲーム中の民主連邦(U.G.)に登場する攻撃兵器としてドラグーン、また神聖宗教国の惑星攻撃兵器としてゾルギアが登場する。
- バウンティハウンズ - 共通の背景設定を持つPSP専用アクションゲーム。ゾルギアも登場する(幼生?とフィールドとしてゾルギアの体内)。
- スターイクシオン - 使用機体にドラグーンJ2とCOMMANDモードにてゾルギアが出現する。
参考文献
- 月刊インターフェース 1996年3月号(CQ出版社)
- 月刊エヌジー(株式会社ナムコ)
脚注
- ↑ 筐体内部の座席後方上部に設置された、三管型プロジェクタ2基の更に左右外側に設置された小型スピーカーから、ホーク部隊の通信音声が再生される。