ユージン・ジェンドリン
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ユージン・ジェンドリン(Eugene T. Gendlin、1926年 - )は、アメリカの哲学者・臨床心理学者で、体験過程(Experiencing)理論を提唱し、フォーカシング(Focusing)を創始した。 1978年に夫妻で初来日し、ワークショップを開催した。
1926年にオーストリアのウィーンで生まれる。 シカゴ大学で哲学を学び、カール・ロジャーズのもとでカウンセリングを学ぶ。 1958年に『象徴化における体験過程の機能(“The function of experiencing in symbolization”)』の学位論文で博士号を取得した。 1961年にウィスコンシン大学精神医学研究所所員となった。
カウンセリングの実践を研究する中から体験過程理論を構築し、体験過程の象徴化の方法として、フォーカシングの技法を体系立てる。 その後、カウンセリングのエッセンスともいえるフォーカシングの理論と技法を、再びカウンセリングに還元した、フォーカシング指向心理療法を提唱した。 現在は、心理療法の研究から離れ、本来のライフワークである哲学の研究に専念している。
1997年9月に、彼が乗っていたタクシーが交通事故を起こし、彼は首から下が麻痺し、生活に支障をきたすようになった。 彼の妻メアリー(Mary Hendlicks-Gendlin)がフォーカシング方面の仕事を引き継いでいる。
著書・論文
- Gendlin, E.T. (1958) The function of experiencing in symbolization. Unpublished doctoral dissertation. University of Chicago.
- Gendlin, E.T. (1961) Experiencing: A variable in the process of therapeutic change. American Journal of Psychotherapy , 15(2) , 233-245.
- Gendlin,E.T. (1962) Experiencing and the creation of meaning:: A philosophical and psychological approach to the subjective. New York : Free Press of Glencoe
- (ジェンドリンE.T. (著) 筒井健雄(訳) 1993 体験過程と意味の創造 東京:ぶっく東京)
- Gendlin, E.T. (1966) Taiken katei to shinri ryoho.
- (ジェンドリンE.T. (著) 村瀬孝雄(編訳) 1966 体験過程と心理療法 東京:牧書店)
- (ジェンドリンE.T. (著) 村瀬孝雄(編訳) 1981 体験過程と心理療法 東京:ナツメ社)
- Gendlin, E.T. (1978) Focusing. New York : Everest House
- Gendlin, E.T. (1981) Focusing. 2nd ed. Toronto : Bantam Books
- Gendlin, E.T. (1986) Let your body interpret your dreams. Wilmette, IL : Chiron Publications
- (ジェンドリンE.T. (著) 村山正治・都留春夫・村瀬孝雄(訳) 1988/1998 夢とフォーカシング:からだによる夢解釈 東京:福村書店)
- Gendlin, E.T. (1996) Focusing-oriented psychotherapy: A manual of the experiential method. New York: Guilford
- Gendlin, E.T. (1964) A theory of personality change. In P. Worchel & D. Byrne (Eds.), Personality change , pp. 100-148. New York : John Wiley and Sons
- Gendlin, E.T. (1973). Experiential psychotherapy. In R. Corsini (Ed.), Current psychotherapies, pp. 317-352. Itasca: Peacock
- Gendlin, E.T. (1990) The small steps of the therapy process: How they come and how to help them come. In G. Lietaer, J. Rombauts & R. Van Balen (Eds.), Client-centered and experiential psychotherapy in the nineties, pp. 205-224. Leuven: Leuven University Press.
- (ジェンドリンE.T.・池見陽(著) 池見陽・村瀬孝雄(訳) 1999 セラピープロセスの小さな一歩:フォーカシングからの人間理解 東京:金剛出版)