タンタル
テンプレート:Elementbox タンタル(テンプレート:Lang-en-short)は原子番号73の元素。元素記号は Ta。
目次
概要
バナジウム族元素の一つ。灰色の金属(遷移金属)で、比重は16.65、融点は3027 テンプレート:℃(異なる実験値あり)、沸点は4100 テンプレート:℃(5534 テンプレート:℃という実験値もあり)。空気中で不動態となり耐食性がある。特にタンタルは耐酸性が強い。王水に不溶。硝酸とフッ化水素の混合溶液には可溶。展性、延性に富み加工しやすい。反射率が全金属中最も低いため、外見は純金属としては最も黒い。安定な原子価は+5価。絶対温度4.5 Kで超伝導転移を起こす。
タンタル石(コルタン)((Fe,Mn)(Ta,Nb)2O6) から得られる。
いわゆるレアメタルの一つであり、産業的にきわめて重要な物質である。近年、価格高騰が著しい。
タンタルの化合物質である炭化タンタル (TaC) は、モース硬度約9 - 10と非常に硬く、融点が3985 テンプレート:℃で、全物質中最も融点が高い。導電性及び熱伝導性を持ち、化学的に安定である。
用途
タンタルコンデンサ
最もよく利用されるのは、コンデンサである。テンプレート:仮リンクは他種のコンデンサに比べて小型で、漏れ電流が少ない上、安定度がよいとされている。パソコンや携帯電話など、小さなエレクトロニクス製品には多数のタンタルコンデンサが使用されているが、高価なこと、逆電圧をかけると故障して導通することから利用は減少している。
フィラメント
昔はフィラメントに使用されたが、タングステンに取って代わられた。
インプラント
また、人体に無害な金属であるため、人工骨や歯のインプラント(フィクスチャー)の材料にも使われる。
宝飾品
ほか、宝飾品や高級時計に用いられることもある。
歴史
1802年、スウェーデンのアンデルス・エーケベリが発見した[1]。このときエーケベリが発見したのは性質がよく似ているニオブとの混合酸化物であったが、1846年にドイツのハインリヒ・ローゼが単体として分離した。名称はギリシャ神話のフリギアの王、タンタロスに因む。
タンタルの化合物
- 炭化タンタル (TaC)
- 炭化タンタルハフニウム (TaxHf1-xCy)
- タンタル酸リチウム (LiTaO3)
- タンタル酸カリウム (KTaO3)
同位体
テンプレート:Main 天然のタンタルは、99.988%の181Taと0.012%の180m1Taで構成されている。このうちの180m1Taは、天然に存在する唯一の核異性体である。
主な産出国
関連項目
- APFSDS - 対戦車砲弾、装弾筒付翼安定徹甲弾とも訳される。運動エネルギーを利用して高速で大質量の金属をぶつける事で装甲を貫徹する砲弾。タンタルが最も弾体に適しているがコストがかさむため代わりに劣化ウランやタングステンが用いられている。
- コルタン