WAR (アルバム)
『WAR(闘)』 (War ) は、アイルランドのロックバンド、U2のサードアルバムである。
概要
全英チャート初登場1位獲得など、U2として初のビッグヒットを記録。シングルでもヒットした「ブラディ・サンデー」や「ニュー・イヤーズ・デイ」など、初期のU2を代表する楽曲が収録されている。
北アイルランド紛争で起きた、1972年の血の日曜日事件の悲劇をテーマにした「ブラディ・サンデー」、核戦争を扱った「セカンド」、ポーランドの「連帯」をイメージした「ニュー・イヤーズ・デイ」などのメッセージソングを収め、「社会・政治問題に積極的に関わるロックバンド」という今日まで続くU2のイメージを決定付けた。
タイトルの『WAR(闘)』についてボノは「『WAR』とは色々なレベルにある『戦い』を扱ったものなんだ。国と国の戦いもあれば、市民権の戦いもある。人と人同士の戦いもあるんだ。勿論、男女間の戦いもね。確かに『戦い』がテーマだけど、決して否定的なアルバムなんかじゃないんだよ」と繰り返し触れている。WAR TOURのライブで「ブラディ・サンデー」を歌う際には「これは抵抗の歌ではない」と語り、ステージ上で白い旗を振るパフォーマンスを見せた。
緊迫感みなぎるアルバム前半から一転して、ラスト曲の「40」では穏やかな平和への祈りを聴くことができる(曲名は旧約聖書の詩篇40篇より)。この曲では通常とは逆に、ジ・エッジがベース、アダム・クレイトンがギターを弾いている。ジ・エッジは「セカンド」の一部でリードボーカルも担当している。
『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテストアルバム500』に於いて、223位にランクイン[1]。
アルバム・ジャケット
このアルバムのカヴァー写真の少年は、ボノの友人であるグッギ(ヴァージン・プルーンズの元メンバー)の弟で俳優のピーター・ロワンである。彼の写真は他にも『ボーイ』や『ザ・ベスト・オブU2 1980-1990』といったアルバムのジャケットにも使われている。純粋であどけない表情だった『ボーイ』から一転、鋭い視線を投げかけており、U2の姿勢を端的に表現している。
収録曲
- ブラディ・サンデー - Sunday Bloody Sunday
- セカンド - Seconds
- ニュー・イヤーズ・デイ - New Year's Day
- ライク・ア・ソング - Like a Song...
- ドラウニング・マン - Drowning Man
- ザ・レフュジー - The Refugee
- トゥー・ハーツ・ビート・アズ・ワン - Two Hearts Beat as One
- レッド・ライト - Red Light
- サレンダー - Surrender
- "40" - "40"
シングル
- ニュー・イヤーズ・デイ - New Year's Day
- トゥー・ハーツ・ビート・アズ・ワン - Two Hearts Beat as One
- 40 - 40 (ドイツ限定リリース)
- ブラディ・サンデー - Sunday Bloody Sunday
- ドイツ、オランダ限定リリース(B面はエンドレス・ディープ - Endless Deep)
- 日本限定リリース(B面はレッド・ライト - Red Light)