アイスランドの大統領
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テンプレート:政治の役職 アイスランドの大統領(テンプレート:Lang-is)では、大西洋北部のアイスランド共和国の国家元首である大統領について記す。
概要
アイスランド共和国発足時の1944年6月17日に施行された憲法により規定されており、憲法制定と同時に初代大統領が誕生した。以来2011年までに、女性一人を含め5代を数える。初代大統領が任期中に死去した際、一時的に空席となった。憲法の規定で、大統領がなんらかの事情で任務を遂行できない場合は、首相および最高裁判所長官が代行する。
大統領公邸はレイキャヴィークに近いアゥルタネース半島にあるベッサスタージル (en) と定められている。また大統領は、テンプレート:仮リンクのグランドマスターでもある。
選出規定
大統領は国民の直接選挙により選出される。任期は4年で、再選制限は無い。大統領選挙に立候補するためには、35歳以上のアイスランド国民であり、1500人から3000人の有権者による推薦を受けなければならない。
大統領選挙への立候補者が複数の場合は投票が行われ、最多得票者が当選する。立候補者が1人だけの場合は、その1人が無投票で当選を決める。現職は2008年の改選での無投票当選である。
権限
アイスランドは議院内閣制の共和国である。大統領は象徴的な役割を果たすに留まり、実際の行政は首相率いる内閣によって成される。大統領の権限は外国の駐アイスランド大使の信任状接受といった、国家元首としての儀礼的なものに限られる。大統領は形式的に首相・閣僚の任命権や条約の締結権、アルシングで可決された法案への署名権などを持つが、いずれもアルシングの方針に従う必要がある[1]。
歴代大統領
代 | 大統領の氏名 | 期 | 就任年月日 | 退任年月日 | 所属政党 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | スヴェイン・ビョルンソン Sveinn Björnsson |
85px | 第1期 | 1944年6月17日 | 1945年 | 無所属 |
第2期 | 1945年 | 1949年 | ||||
第3期 | 1949年 | 1952年1月25日 (在任中に死去)[2] | ||||
2 | アウスゲイル・アウスゲイルソン Ásgeir Ásgeirsson |
85px | 第1期 | 1952年8月1日 | 1956年8月1日 | 進歩党 |
第2期 | 1956年8月1日 | 1960年8月1日 | ||||
第3期 | 1960年8月1日 | 1964年8月1日 | ||||
第4期 | 1964年8月1日 | 1968年8月1日 | ||||
3 | クリスチャン・エルジャン Kristján Eldjárn |
85px | 第1期 | 1968年8月1日 | 1972年8月1日 | 無所属 |
第2期 | 1972年8月1日 | 1976年8月1日 | ||||
第3期 | 1976年8月1日 | 1980年8月1日 | ||||
4 | ヴィグディス・フィンボガドゥティル[3] Vigdís Finnbogadóttir |
85px | 第1期 | 1980年8月1日 | 1984年8月1日 | 無所属 |
第2期 | 1984年8月4日 | 1988年8月1日 | ||||
第3期 | 1988年8月1日 | 1992年8月1日 | ||||
第4期 | 1992年8月1日 | 1996年8月1日 | ||||
5 | オラフル・ラグナル・グリムソン Ólafur Ragnar Grímsson |
85px | 第1期 | 1996年8月1日 | 2000年8月1日 | 無所属</br>(かつては人民同盟[4] に所属) |
第2期 | 2000年8月1日 | 2004年8月1日 | ||||
第3期 | 2004年8月1日 | 2008年8月1日 | ||||
第4期 | 2008年8月1日 | 在任中 |
注釈
- ↑ 2004年5月にオラフル・ラグナル・グリムソンがアイスランド共和国成立以来初めて、アルシングで可決された法案への署名を拒否したが、象徴大統領の権限を越えた行為であるとして議論を巻き起こした[1]
- ↑ アウスゲイル・アウスゲイルソン第2代大統領の就任までは、当時のステイングリムル・ステイントルソン首相など3名が共同で大統領代行を務めた。
- ↑ 民選で就任した女性大統領としては世界初(民選以外を含めると、世界初の女性大統領はアルゼンチンのイサベル・ペロン)。
- ↑ 現在の社会民主同盟