スカンクワークス
スカンクワークス (Skunk works) は、アメリカ合衆国の航空機製造会社であるロッキード・マーティン社の一部門「ロッキード・マーティン先進開発計画(Lockheeds Martin's Advanced Development Programs)」の通称。転じて、航空宇宙企業内における軍事関連の秘密開発部門、警察の武器庫・銃火器管理調整担当を指していたが、その後語義がさらに拡大し、現在テンプレート:いつでは企業内の極秘開発部門・選抜されたメンバーのみからなる特命チームなどをも指すようになった。
以下にはロッキード・マーティンのスカンクワークスについて記す。
概要
軍用機開発を主な任務とし、秘密、独立、迅速を軸に、数十名の設計者と百数名の技能職によって構成されている。初代ボスは航空機設計家クラレンス・ケリー・ジョンソン(Clarence Leonard Kelly Johnson)。
ナチス・ドイツのジェット戦闘機に対抗出来る戦闘機の開発の為に設立された[1]当初、設計室として設置したテントが、プラスティック加工工場 (牛皮加工工場との説もある) に面しており、室内が異臭に満ちていた。このため、電話をとった従業員が「はい、こちらスコンクワークス」[2]と答えた。スコンクワークスはアル・キャップの漫画インディアン・ジョー (テレビ番組説も存在する) に登場する怪しげな飲み物を製造する蒸留所の名前である。これをきいたケリーは激怒したが、従業員はケリーのいない間は「スコンクワークス」と電話に出続けたため、「ケリーのサーカス小屋」をロッキード本社側でも「スコンクワークス」と呼ぶ様になった。その後、アル・キャップの漫画を出版していた出版社 (テレビ番組の制作会社とする説も存在する) に訴えられたため、スカンクワークスの名称で商標登録された。
U-2偵察機、SR-71偵察機やF-104戦闘機などを開発し世界に名を轟かせた一方で、XFV-1のような過大な要求ゆえの失敗作 [3]も存在した。
その後、ケリー・ジョンソンは引退しロッキード社から去ったが、スカンクワークスは存続し続け1975年には二代目ボスベン・リッチ(Benjamin Robert Rich June 18, 1925 – January 5, 1995)によって引き継がれ、その後もステルス攻撃機であるF-117などを開発、アメリカの航空産業の最先端を担っている。
開発中のプロジェクト
2008年初頭
- 開発が進行中のもの
- 船上発射-垂直離着陸先進型無人機システム(VARIOUS)
- 監視任務用飛行船-統合センサー搭載偵察システム(ISIS)
- マッハ10飛行-成層圏巡航攻撃/偵察機(FALCON)
- リフティングボディ&エアシップ ハイブリッド機
- 超長距離超音速(RATTLRS)ミサイル
- 開発が進行途中で凍結されたもの
脚注・出典
外部リンク
- [1] ロッキード・マーティン先進開発計画のサイト