LIBOR
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LIBOR (ライボー、London Interbank Offered Rate) とは、ロンドンにおいてインターバンク(銀行間直接)取引で資金の出し手から提示される金利のことで、ロンドン銀行間取引金利とも呼ばれる。特に6か月物は短期金利の指標として使われることが多い。
一般的には、指定された複数の有力銀行(リファレンスバンク)から報告された毎営業日11:00時点のレートを指す。この集計・発表はかつては英国銀行協会(BBA)が実施し、「BBA LIBOR」と呼ばれていたが、現在はインターコンチネンタル取引所(ICE)が「ICE LIBOR」を公表している。
資金調達コストの基準として用いられ、調達コストの割高/割安をLIBORとの比較で表現されることが多い。例えば、LIBORと同水準で社債等が発行された場合には「LIBORフラット(ライボー・フラット)」或いは単に「Lフラット(エル・フラット)」と表現される。また、特に信用力の高い企業では、LIBORよりも低い水準で資金調達を行なうことができ、その場合「サブLIBOR(サブ・ライボー)」と云われる。
種類
現在は5通貨、7期間、あわせて35種類の金利が毎営業日公表されている。2012年~2013年の改革により、通貨と期間が大幅に削減された[1]。
通貨
- USD(ユーロ米ドル)
- GBP(スターリング・ポンド)
- JPY(ユーロ円)
- EUR(ユーロユーロ)
- CHF(ユーロスイス・フラン)
- 2013年に廃止された公表対象通貨
- CAD(ユーロカナダ・ドル)
- AUD(ユーロオーストラリア・ドル)
- NZD(ユーロニュージーランド・ドル)
- DKK(ユーロデンマーク・クローネ)
- SEK(ユーロスウェーデン・クローナ)
期間
- 1日:USD、EUR、GBP、CADはオーバー・ナイト(O/N)、その他通貨はスポット・ネクスト(s/n)[2]
- 1週間
- 1ヶ月
- 2ヶ月
- 3ヶ月
- 6ヶ月
- 12ヶ月
- 2013年に廃止された公表対象期間
- 2週間
- 4、5、7、8、9、10、11ヶ月
不正疑惑
- 2008年5月29日、ウォールストリートジャーナルはLIBORについて「実勢よりも低く見えるように数値が操作されている」と報じた。
- 2011年7月、フィナンシャル・タイムズは「LIBOR、TIBORの不正操作疑惑に関してアメリカ、イギリス、欧州(EU)、日本の金融規制当局が捜査に着手した」と報じた。
- 2012年2月3日、スイスの連邦競争委員会(日本における公正取引委員会に相当)が不正操作疑惑の捜査のため、日米欧の金融大手12行の調査を開始[3]。