カスチリアノの定理
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テンプレート:出典の明記 カスチリアノの定理(カスチリアノのていり、Castigliano's theorem)は、構造力学、材料力学などで扱われる定理で、第1定理と第2定理からなる。たわみ(変形量)を求めたり不静定構造を解いたりするときによく使われる。カスティリアノの定理とも表記する。この定理は仮想仕事の原理を用いて証明される。
1873年にカルロ・アルベルト・カスティリャーノによって確立された[1]。
カスチリアノの第1定理
ひずみエネルギー <math>U</math> を、変位 <math>\delta_1,\delta_2,\cdots,\delta_i</math> の関数として表すとき、 <math>i</math> 点での外力 <math>P_i</math> は、
- <math>P_i =\frac{\partial U}{\partial \delta_i}</math>
で表される。これをカスチリアノの第1定理という。
カスチリアノの第2定理
ひずみエネルギー <math>U</math> を、外力 <math>P_1,P_2,\cdots,P_i</math> の関数として表すとき、 <math>i</math> 点での変位 <math>\delta_i</math> は、
- <math>\delta_i =\frac{\partial U}{\partial P_i}</math>
で表される。これをカスチリアノの第2定理という。
(参考)最小仕事の定理
また、不静定構造で、不静定力 (<math>X_1,X_2,\cdots,X_i</math>) は、ひずみエネルギーが最小となるように働く。つまり、
- <math>\frac{\partial U}{\partial X_i}=0</math>
と書ける。これを最小仕事の定理という。