普遍救済主義
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普遍救済主義(ふへんきゅうさいしゅぎ)とは、キリスト教の神学思想のひとつ。
普遍救済主義は、カルヴァン主義の予定説(特定救済主義)の立場に立つバプテスト派の「paticular」に対し、アルミニウス主義の立場に立つバプテスト派の「general」を訳したものであり、アルミニウス主義の特徴である不特定の贖罪(キリストの贖罪は彼を意識的に拒む者をも含む全ての人のためである。もっとも信じない者まで救われるわけではないが、神の憐れみと恵みは予定されるものではない)の立場に立つことから普遍救済主義の立場とされる。しかし、彼らは神の条件的選び(神はあらかじめ誰がキリストを信じるか見ておられ、その予知に基づいて信じる者を天国へ選ぶことを決める)という立場に立っているので、これを万人救済主義(ユニバーサリズム)と混同してはならない。
カルヴァン主義の人たち(カルヴァン派の教会すなわち改革派教会)によるドルトレヒト会議においてはアルミニウス主義は異端とされ、その主張は公式に認められなかった。