すぎ丸
すぎ丸(すぎまる)は、東京都杉並区のコミュニティバス(南北バス)の愛称である。
元々は杉並区のまち作り振興のイメージキャラクターであり、利用者や運転手には親しみをこめて「すぎ丸君」と呼ぶ人もいる[1]。「けやき路線」(阿佐ヶ谷駅 - 浜田山駅)、「さくら路線」(浜田山駅南 - 下高井戸駅入口)、「かえで路線」(西荻窪駅 - 久我山駅)の3系統があり、前者2つは京王バス東・永福町営業所、「かえで路線」は関東バス青梅街道営業所に運行を委託している。
沿革
2000年に、「杉並区コミュニティバス」として阿佐ヶ谷駅 - 浜田山駅が開通した。
この路線が走る杉並区中南部の浜田山・成宗地区は、道路の幅が大変狭く、一般バスの乗り入れが困難なところが多い。このため、特に南北方向の交通が希薄であり、区役所などの公共施設が集中する阿佐谷に行くにも不便であった。こうした背景から、狭隘道路を走行できる小型車両を使用して交通不便地域を解消し、公共施設を連絡する手段をも兼ねたコミュニティバス路線を杉並区が主体となって運行することとなったのである。
導入にあたっては、2ドア小型車両(日野・リエッセ)、運賃の100円均一、番号付き停留所の採用など、コミュニティバスの草分けとして実績を上げていた武蔵野市・ムーバスを参考にした面もある[2]。綿密な現地調査に基づく適切な路線設定であったため、結果的に多くの利用者の獲得につながり、こうした形態のコミュニティバスが十分成立しうることを示した。
この路線の成功を受け、阿佐ヶ谷 - 浜田山線を「けやき路線」と命名すると、2004年には「さくら路線」(浜田山駅南 - 下高井戸駅入口)が開通、2008年にかえで路線(西荻窪駅 - 久我山駅)が開通し、現在は3ルート体制で運行している。すぎ丸の開通後、周辺の一般バス路線において、車両の小型化によって積極的に隘路に乗り入れ、南北間の交通を補充するという趣旨の路線(高円寺駅 - 新高円寺駅 - 永福町、高45・新02)が登場しており、これもすぎ丸の影響を受けたものと見ることができる。
- 2000年11月25日:浜田山駅 - 阿佐ヶ谷駅間が開業。のちにけやき路線と名付けられる。
- 2004年10月30日:さくら路線(浜田山駅南 - 下高井戸駅入口)が開通。
- 2008年11月29日:かえで路線(西荻窪駅 - 久我山駅)が開通[3]
いずれも開業日と翌日は無料運行を行った。
現行路線
停留所は主要停留所のみを掲載した。詳しくは運行を担当している各営業所の公式ホームページなどを参照のこと。
けやき路線
- けやき路線:阿佐ヶ谷駅⇄杉並区役所⇄杉並税務署⇄善福寺川緑地⇄(←三年坂 / 杉並第二小学校→)⇄児童交通公園入口⇄浜田山小学校⇄浜田山駅
- (入庫便):阿佐ヶ谷駅→杉並区役所→杉並税務署→善福寺川緑地→杉並第二小学校→児童交通公園入口→浜田山小学校→浜田山駅→人見街道入口→西永福→永福町
最初に開通した路線で、阿佐ヶ谷駅と浜田山駅を約25分で結ぶ[4]。待避所の設置や急カーブの改善、一般ドライバー・歩行者への注意喚起を目的とした路面のカラー舗装など、十分な道路整備を行った上での開通となった[5]。また、浜田山駅周辺は人通りが多いため、警備員を配置している[6]。
2001年12月1日に上下各1箇所の停留所が増設、2002年4月1日に運転時間帯が拡大されている[7]。運行頻度は15分間隔で、7時30分(平日の浜田山発のみ、休日と阿佐ヶ谷発は8時)から21時までの運行。2008年よりPASMOが利用可能。
入庫便は2002年3月31日まで、浜田山駅を経由しなかった。
2011年度の1日平均の乗車人数は1686人[8]。
2013年11月より経由地である阿佐ヶ谷住宅の再開発工事が本格化したため、杉並税務署〜善福寺川緑地間では既存のバス停上下各4箇所[9]が廃止され、代わりに臨時バス停1箇所[10]が設置されている。2014年4月よりバス停を新設予定。
さくら路線
浜田山駅南[11]から下高井戸駅入口まで、約20分で結ぶ。2004年10月30日に柏の宮公園開園にあわせて開業された。
8時 - 19時までの30分間隔の運行。2008年12月よりPASMOが利用可能となっている。
2011年度の1日平均の乗車人数は496人[8]。
かえで路線
2008年11月29日に開業した。8時-19時までの20分間隔の運行。開業当初からPASMOが利用可能。
上下線が3箇所で分離している。路線は西荻窪 - 久我山だが、テンプレート:要出典範囲
2011年度の1日平均の乗車人数は745人[8]。