アナル・カント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2013年7月24日 (水) 18:43時点における182.170.64.32 (トーク)による版 (最終的な顔ぶれ)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox Musician アナル・カント (Anal Cunt) は、アメリカボストン出身のロックバンド。

バンド概要

1988年結成。バンド名が「肛門女性器」である為に「AxCx」「A.C.」と略称表記されることが多い。ちなみにバンドロゴAnalCuntのそれぞれの頭文字を肛門及び女性器に模したデザインとなっている。解散と再結成を繰り返しながら活動を続けていたが(3度来日経験あり)、2011年6月11日にバンドリーダーにしてバンド創設者であるセス・パットナム(ヴォーカル)が薬物過剰摂取による心臓麻痺で死去。20年近くに渡る活動に幕を下ろすことになった。

音楽性

初期のスタイルは即興性を重視しており、ノイズを掻き鳴らすギターとひたすらブラスト・ビートを繰り出すドラム、そして凄まじい絶叫を轟かせるヴォーカルが絡み合うといったもので、メロディは皆無(曲の長さも5秒から1分弱)、まさに混沌の極みであった。3時間以上にわたる演奏を合計11分ほどの曲に編集した「5643 song EP」というタイトルの5643曲入りシングル・レコードで、アンダーグラウンドの音楽シーンで知名度を広げることになった。「ノイズ・グラインド」とも呼ばれたこの時期の音楽性は、世界中のグラインド・コアバンド、ノイズバンドに影響を及ぼし、現在に至るまで数多くのフォロワーを生み続けている。しかし、度重なるメンバー交代とセス・パットナムの音楽的嗜好の変化によって、フルアルバムを発表する毎にそうした即興性とノイズは次第に影を潜めていき、近年は90年代初頭のグラインド・コア・スタイルに初期の要素を若干含めたものになっていた。

歌詞

人気ミュージシャンや著名人に対する誹謗中傷、女性・同性愛者・キリスト教・人種・フェミニズムを侮蔑、挑発する内容のものが殆どを占めている。同じ音楽シーンで活動しているグラインド・コア、ハードコア・パンクデス・メタルのバンドやそのメンバーを名指しで罵倒したものもあり、トラブルに発展したこともある。作詞を担当しているセス・パットナムによると、あくまで歌詞は悪ふざけだとしており、ブラック・ジョークを意識して書かれたものになっている。とはいえ、過激な歌詞に対する批判は多く、ライブ中にその内容に反発した観客との間で殴り合いの喧嘩が起きたことも少なくなかったようである。

バンドリーダーの死去

2004年10月、セス・パットナムが薬物過剰摂取(オーバードース)によって昏睡状態に陥った。担当医は延命のためのチューブを外すことも真剣に検討したという。幸いにして約2カ月後に意識を回復。脳神経に生じた後遺症によって半身が麻痺したが、リハビリによってそれを克服し、すぐにバンド活動を再開した。しかし、2011年6月11日に再び薬物過剰摂取によって心臓麻痺に陥り、そのまま帰らぬ人となった。43歳であった。

メンバー

最終メンバー

  • セス・パットナム (Vo,Gt)
  • ティム・モース (Dr)
  • ジョシュ・マーティン (Gt)

元メンバー

  • マイク・マハン (Gt)
  • フレッド・オルドネス (Gt)
  • ジョン・コジック (Gt)
  • ポール・クレイネク (Gt)
  • スコット・ハル (Gt)
  • ネイト・ラインハン (Dr)
  • ジョン・ギルス (Dr)

ディスコグラフィー

※フィル・アンセルモ(元パンテラ)がゲスト参加。

外部リンク

テンプレート:Asbox