ブラウン神父
テンプレート:Infobox character ブラウン神父(ブラウンしんぷ、Father Brown)は、G・K・チェスタトン著の推理小説「ブラウン神父」シリーズに登場する架空の人物。
イギリス、サセックス教区のカトリック司祭にして、アマチュア探偵。世界三大探偵に挙げる者もいる[1]。53作の短編に登場する。
人物
容姿は、丸顔で眼鏡を掛け、短躯で蝙蝠傘を持っている。名前は不詳だが、イニシャルが「J」であることが知られている[2]。また妹が1人、姪が1人いる[3]。
その推理法は鋭い洞察力による直感に頼るものが多く、美学的な観察による推理もある。この系統の探偵としてH・C・ベイリーのレジナルド・フォーチュンが挙げられる。
サセックス教区にいたのは初期の話で、ロンドンの教会や南米の教区へ異動になったこともある。貧しく、ときには犯罪に手を染める人々もいる教区が多い。また20年前にはシカゴの刑務所礼拝堂付神父であったことがある。犯罪者から窃盗や詐欺などの犯行手口を告解により聞き取っている為、さまざまな犯行手口に通じている。
友人は元盗賊で私立探偵の大男フランボウ(ディロック)。
チェスタートンはブラウン神父のモデルが知り合いのジョン・オコナー神父であると明かしている。
登場作品一覧
訳題は基本的に創元推理文庫版に従った
- 『ブラウン神父の童心』(The Innocence Of Father Brown,1911年)
- 青い十字架 (The Blue Cross)
- 秘密の庭 (The Secret Garden)
- 奇妙な足音 (The Queer Feet)
- 飛ぶ星 (The Flying Stars)
- 見えない男 (The Invisible Man)
- イズレイル・ガウの誉れ (The Honour of Israel Gow)
- 狂った形 (The Wrong Shape)
- サラディン公の罪 (The Sins of Prince Saradine)
- 神の鉄槌 (The Hammer of God)
- アポロンの眼 (The Eye of Apollo)
- 折れた剣 (The Sign of the Broken Sword)
- 三つの兇器 (The Three Tools of Death)
- 『ブラウン神父の知恵』(The Wisdom Of Father Brown,1914年)
- グラス氏の失踪(The Absence of Mr Glass)
- 泥棒天国(The Paradise of Thieves)
- ヒルシュ博士の決闘(The Duel of Dr Hirsch)
- 通路の人影(The Man in the Passage)
- 機械のあやまち(The Mistake of the Machine)
- シーザーの頭(The Head of Caesar)
- 紫の鬘(The Purple Wig)
- ペンドラゴン一族の滅亡(The Perishing of the Pendragons)
- 銅鑼の神(The God of the Gongs)
- クレイ大佐のサラダ(The Salad of Colonel Cray)
- ジョン・ブルノワの珍犯罪(The Strange Crime of John Boulnois)
- ブラウン神父のお伽噺(The Fairy Tale of Father Brown)
- 『ブラウン神父の不信』(The Incredulity Of Father Brown,1926年)
- ブラウン神父の復活(The Resurrection of Father Brown)
- 天の矢(The Arrow of Heaven)
- 犬のお告げ(The Oracle of the Dog)
- ムーン・クレサントの奇跡(The Miracle of Moon Crescent)
- 金の十字架の呪い(The Curse of the Golden Cross)
- 翼ある剣(The Dagger with Wings)
- ダーナウェイ家の呪い(The Doom of the Darnaways)
- ギデオン・ワイズの亡霊(The Ghost of Gideon Wise)
- 『ブラウン神父の秘密』(The Secret Of Father Brown,1927年)
- ブラウン神父の秘密(The Secret of Father Brown)
- 大法律家の鏡(The Mirror of the Magistrate)
- 顎ひげの二つある男(The Man With Two Beards)
- 飛び魚の歌(The Song of the Flying Fish)
- 俳優とアリバイ(The Actor and the Alibi)
- ヴォードリーの失踪(The Vanishing of Vaudrey)
- 世の中で一番重い罪(The Worst Crime in the World )
- メルーの赤い月(The Red Moon of Meru)
- マーン城の喪主(The Chief Mourner of Marne)
- フランボウの秘密(The Secret of Flambeau)
- 『ブラウン神父の醜聞』(The Scandal Of Father Brown,1935年)
- ブラウン神父の醜聞(The Scandal of Father Brown)
- 手早いやつ(The Quick One)
- 古書の呪い(The Blast of the Book)
- 緑の人(The Green Man)
- ブルー氏の追跡(The Pursuit of Mr Blue)
- 共産主義者の犯罪(The Crime of the Communist)
- ピンの意味(The Point of a Pin)
- とけない問題(The Insoluble Problem)
- 村の吸血鬼(The Vampire of the Village)
- 未収録短編
- ドニントン事件(The Donnington Affair)
- ミダスの仮面(The Mask of Midas)[4]
映像作品
まず1934年にウォルター・コノリー主演の「Father Brown,Detective」が制作されている。その後1954年に「青い十字架」を下敷きにしたアレック・ギネス主演の「FATHER BROWN」が制作されている[5]。1979年にはバーナード・ヒューズ主演のテレビ映画「ブラウン神父・恐怖のステージ(英題「Sanctuary of Fear Girl in The Park」)」が制作されている。
ドラマは1974年にイギリスの放送局ITV制作の元、ケネス・モア主演の「Father Brown」が全13話放送されている[6]。
またBBCによって全10話のドラマシリーズの制作が発表された。制作は2012年、放送は2013年に行われる[7]。
脚注
テンプレート:Reflist- ↑ エラリー・クイーンの言による。G・K・チェスタトン『ブラウン神父』 二宮馨訳、集英社〈集英社文庫〉、1997年、250頁。
- ↑ G・K・チェスタトン 「アポロの眼」 『ブラウン神父の童心』 創元推理文庫、1982年、272頁。
- ↑ G・K・チェスタトン 「世の中で一番重い罪」 『ブラウン神父の秘密』 創元推理文庫、1982年、178頁。
- ↑ 「ミダスの仮面」は、日本で出版されているチェスタトンの作品では『法螺吹き友の会』(論創社、2012年)に収録されている。
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- ↑ Ariel - Birmingham scores daytime drama