千羽鶴
千羽鶴(せんばづる)は、最も有名な折り紙である折り鶴を1000羽作り、糸などで綴じて束ねたもの。長寿のシンボルでもある折り鶴を1000羽折ることで、病気快癒・長寿がかなうという俗信があり、入院者への贈り物などとしてよく用いられる。
広島市への原子爆弾投下で被爆し、原爆症で死亡した佐々木禎子が自らの延命を祈って作ったことから、平和のシンボルにもなっている。世界中から送られてくる千羽鶴が広島平和記念公園にある原爆の子の像の周りに手向けられている。
少人数で千羽鶴を折るのには相当の時間がかかるため、時間がない人のために、完成した千羽鶴の通信販売を行っているウェブサイトもある。
千羽鶴に関する俗説
千羽鶴に用いる折り鶴の首の部分を折らない方がよいという俗説が流布している。「首を折る」という表現が死を連想させて不吉と考えるためだが、本来は首を折って折り鶴を完成させるのが正しい作り方である。
千羽鶴製作に関わる内職商法
「千羽鶴を作れば報酬が支払われる」という名目の悪徳商法(内職商法)がある。受託者は契約に際し、業務手数料・保証料などの名目で数万円程度の費用負担を求められる。契約後、千羽鶴か単体の折り鶴を作り業者に納品するのだが、納品した折り鶴に業者からあれこれ欠陥を指摘され、「契約条件を満たさない」と言われて報酬の支払いを拒否されるのが典型的な被害例である。
もともと業者側は完成した千羽鶴の販売で収益を得るつもりはなく、前記の業務手数料・保証料を収益源としており、それゆえに委託料・保証料を上回る報酬を得られることはないといってよい。このような悪徳商法に騙されてはならない。
楽曲
長崎県出身の作曲家、大島ミチルが作曲した「千羽鶴」という歌曲がある。長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で、純心女子高等学校の合唱団によって歌われている(大島が同校の卒業生であるため)。 原爆資料館で毎日11時02分に流されるほか、長崎市の防災無線で毎月9日の11時02分に流される。 また、長崎市役所の電話の保留音としても採用されている。