エンデバー (オービタ)
エンデバー (Endeavour, OV-105) はスペースシャトルのオービタ。
チャレンジャーの事故による機数減少を受けて「エンタープライズを改修するよりも安い」との判断の元、ストックされていたスペアパーツを用い製造された機体である。初飛行は1992年5月7日のSTS-49。2011年6月の引退までに25回の飛行を行った。
Endeavour(エンデバー)の名前は、キャプテン・クックの南太平洋探検の第1回航海の帆船 Endeavour(エンデバー号)に由来している。なお、努力という意味はそれぞれテンプレート:Lang-en-gb、テンプレート:Lang-en-usとなるが、本船は固有名詞であるクックの船名に由来するテンプレート:Lang-en-gbが正しい。2007年7月には、NASA自身が作成した射点の横断幕でEndeavorと書いてしまうミスがあり、米国では話題になった[1]。1971年に打ち上げられたアポロ15号の司令船の名称もエンデバー(Endeavour)である。
フィクションではアーサー・C・クラークのSF小説「宇宙のランデヴー」の主役宇宙船の名称もエンデバーだった。2001年宇宙の旅の主役宇宙船ディスカバリーと共にクラークの著書に登場する宇宙船と同じ名前のオービタである。
退役後はロサンゼルスのカリフォルニア科学センターに展示されている[2]。
日本人宇宙飛行士とエンデバー
エンデバーは日本人宇宙飛行士の搭乗率が高く、毛利衛はSTS-47とSTS-99、若田光一はSTS-72とSTS-127、土井隆雄はSTS-123でそれぞれエンデバーに搭乗した。また、土井が搭乗したSTS-123では日本初の有人宇宙施設「きぼう」の船内保管室を、若田が搭乗したSTS-127では船外実験プラットフォームを宇宙に運んでいる。
飛行記録
打ち上げ日 | 任務名 | 備考 |
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1992年5月7日 | STS-49 | 通信衛星インテルサット6号を捕捉、修理の後、再放出 |
1992年9月12日 | STS-47 | スペースラブ実験 SL-Jミッション。毛利衛搭乗(日本人初) |
1993年1月13日 | STS-54 | データ中継衛星TDRS-Fを放出 |
1993年6月21日 | STS-57 | SPACEHAB-1。ヨーロッパのEURECA衛星回収。 |
1993年12月2日 | STS-61 | ハッブル宇宙望遠鏡の第1回目の修理 |
1994年4月9日 | STS-59 | 地表探査用の宇宙レーダー実験(SRL-01) |
1994年9月30日 | STS-68 | 宇宙レーダー実験(SRL-02) |
1995年3月30日 | STS-67 | スペースラブ アストロ-2(Astro-2)実験 |
1995年9月7日 | STS-69 | Wake Shield Facility (WSF)-2及び他の実験 |
1996年1月11日 | STS-72 | 日本の実験衛星Space Flyer Unitの回収 |
1996年5月19日 | STS-77 | SPACEHAB-4 |
1998年1月22日 | STS-89 | 宇宙ステーション ミールへの8回目のドッキングミッション。交代要員移送 |
1998年12月4日 | STS-88 | 国際宇宙ステーションの建設 (2A)、ユニティ取り付け |
2000年2月11日 | STS-99 | 地表探査レーダー実験 (Shuttle Radar Topography Mission) |
2000年11月30日 | STS-97 | 国際宇宙ステーションの建設(4A)、P6トラスを運搬 |
2001年4月19日 | STS-100 | 国際宇宙ステーションの建設(6A)、カナダアーム2取り付け |
2001年12月5日 | STS-108 | 国際宇宙ステーションの補給フライト(UF-1)、交代要員移送 |
2002年6月5日 | STS-111 | 国際宇宙ステーションの補給フライト(UF-2)、交代要員移送 |
2002年11月23日 | STS-113 | 国際宇宙ステーションの建設(11A)、P1トラス運搬、交代要員移送 |
2007年8月8日 | STS-118 | 国際宇宙ステーションの建設(13A.1)、S5トラス運搬 |
2008年3月11日 | STS-123 | 国際宇宙ステーションの建設(1J/A)、「きぼう」日本実験棟船内保管室とカナダのSPDM「デクスター」の運搬 |
2008年11月14日 | STS-126 | 多目的補給モジュール(MPLM)を使った、装備品の搬入や物資の補給等(ULF-2) |
2009年7月15日 | STS-127 | 国際宇宙ステーションの建設(2J/A)、「きぼう」船外実験プラットフォームなどの運搬 |
2010年2月8日 | STS-130 | 国際宇宙ステーションの建設(20A)、トランクウィリティーとキューポラの取り付け |
2011年5月16日 | STS-134 | アルファ磁気分光器とエクスプレス補給キャリアの取り付け 同機の最終ミッション |
これまでに使用された徽章
これまでにエンデバーの任務で使用された徽章 | |||||||
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エンデバー号のフライトミッションの記章 | |||||||
STS-49 | STS-47 | STS-54 | STS-57 | STS-61 | STS-59 | STS-68 | STS-67 |
STS-69 | STS-72 | STS-77 | STS-89 | STS-88 | STS-99 | STS-97 | STS-100 |
STS-108 | STS-111 | STS-113 | STS-118 | STS-123 | STS-126 | STS-127 | STS-130 |
STS-134 |
脚注
関連項目
このほかに模型のパスファインダー(Pathfinder) もオービタとしてカウントされることがある。
外部リンク
テンプレート:Space Shuttles テンプレート:Space Shuttle Endeavour テンプレート:Space Shuttle
テンプレート:US launch systems