さしすせそ (調味料)
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さしすせそは、調味料についての語呂合わせの言葉である。
概要
料理(特に和食)の味付けの基本になる五つの調味料、また、それらを使うときの順序を覚えるための語呂合わせとして、「さしすせそ」の語を用いる。それぞれ
を指す[1]。
料理の味付けは、基本的に「さしすせそ」の順で用いるが、下記の考え方に基づく。
- まず甘味はなかなか浸透しにくいので、砂糖を入れるのは早い方がよい。特に塩や醤油を先に入れてしまうと食材に甘味が付きにくくなる。
- 塩(塩水)は浸透圧が高く食材から水分を呼び出すため、煮汁の味を決める初期に入れる。砂糖の前に入れると砂糖の味が食材に入らなくなるため、砂糖より後に入れる。
- 酢は早く入れ過ぎると酸味がとんでしまうので、調理進行を見計らって入れる。塩以上に食材に味が染みるのを妨害するため、塩より後に入れる。
- 醤油、味噌(またはソース、ソーダ)は風味を楽しむものなので、仕上がりに入れる事が望ましい。
なお、アルコールによる臭み消しと食材の味付けを促進させる作用から、調理酒・本みりんなどの酒類を入れる場合は砂糖よりも早く最初に入れ、みりん風調味料は味噌より遅く最後に入れる。
ほかに「さしすせそ」の語呂合わせを用いたものとしては、家事(裁縫、躾、炊事、洗濯、掃除)が存在する。
特異性
砂糖、塩、酢が世界中に普遍的に存在する調味料であるのに対し、味噌と醤油は日本独自の調味料である(ただし類似の大豆発酵調味料は、東アジア各地に存在する)。
現在は、味噌、醤油とも、世界各地に輸出されている。ただし味噌の利用は味噌汁など和食に限られるのに対し、醤油は和食に限らず普遍的に用いられる事が多い。