キリスト教右派
テンプレート:出典の明記 キリスト教右派(キリストきょううは、テンプレート:Lang-en)とは、字義的にはキリスト教徒の政治的および宗教的右派の勢力を意味するが、言及されるのはアメリカ合衆国の運動や団体を指している事が多い。
より一般化した言い方としては宗教右派(テンプレート:Lang-en)と呼ばれ、右翼的な見解を持つ政治、宗教運動や団体に対して用いられる名称、定義である。このような運動や団体は様々な国で見られる。
アメリカ合衆国におけるキリスト教右派特徴・主張内容
キリスト教右派団体は、名前が示すとおり、主にキリスト教徒で構成されている。
キリスト教右派が、主に関心を寄せているとみなされている問題、及びそれに対する彼らの姿勢を以下にいくつか掲載する。
- 中絶の禁止、又は厳しい規制。
- 婚前交渉を否定し純潔運動を推進。
- 特定のバイオテクノロジー、及びその使用(例:胚性幹細胞を使った研究)禁止、生命倫理遵守
- LGBTの権利向上活動への反対。彼らの言うところの“伝統的な家庭の価値、価値観”の標榜と支持。同性愛者、又は異性愛者による、“自然に反する、異常な性行為”(キリスト教で定義する性的罪)への反対
- 公共の場でのキリスト教信仰(的な行為)、例えば学校でお祈りすることなどへの支持
- 公教育の場で、聖書の記述に反する進化論や地質学を教えることの代わり、もしくは並行的に、創世記に基く創造科学を導入への支持
- 宗教的な慈善事業や学校への、政府による財政的支援の制限の解除や、これに類似する問題
- アメリカ合衆国連邦裁判所による、政教分離原則を昔より厳密にする決定に対する反対
- 特にロックやポルノなど、彼らが下品、猥褻であるとする音楽・出版・放送の規制・禁止
- 異教徒への否定的態度。特に2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降は十字軍の肯定と反イスラーム主義
ただし、奴隷制廃止、公民権運動などに賛成だった面もあり、右翼や左翼といった枠組みのみでは捉えられない。
中にはブランチ・ダビディアンや「ハタリー」(en:Hutaree)のように、連邦政府を敵視し“戦争”を企てる過激派もある[1]。
アメリカ合衆国における政治・選挙との関係
キリスト教右派の団体や構成員には、共和党の主義や政策に賛成、支持するものが多く、時には逆に共和党の主義や政策に影響を与えることもある。例えば、ジョージ・W・ブッシュ大統領の選挙戦では、キリスト教右派の共和党支持が、無視できない役割を果たしたものと考えられている。
アメリカ大統領選挙において共和党から出馬する政治家は、キリスト教右派の支持を取り付けることが特に予備選挙の段階で重要であり、またキリスト教右派色の濃い候補が出馬することもある(クリスティン・オドネルやミシェル・バックマン、リック・サントラムなど)。
一方でキリスト教右派の主張を政策に反映させることは本選挙において大都市に多いとされる中道層の取り込みに不利となる。そのため共和党の政治家はキリスト教右派の主張をどこまで受け入れるかというバランスに苦慮している。